「副業」が世間で注目され始めてから何年にもなります。
今でもインターネットの専門サイトなどを利用して副業を始めようと考える人は右肩上がりに増え続けているといいます。
そういう人の多くは「副業は気軽にできて安全だ」とか「好きな時間に作業して収入をアップさせることができる」と信じているようですが、本当に副業とはリスクを伴わない「安全」なものなのでしょうか?
今回は現代における「副業」の実態と合わせて、副業に伴うリスクや安全性について考えると同時に、副業で成功するためのヒントを紹介します。
副業はリスクがない?
小資本なら問題ないという神話
既に副業を営んでいるにせよ、あるいはこれから副業をやってみようと考えているにせよ、たいていの副業に興味のある人はこう思っているのではないでしょうか?
「副業は気軽に始めることができるし、開業にあたってほとんどお金もかからない。だからリスクがなくて安全だ」
確かに今人気とされる副業の業種のほとんどは、インターネットを利用した業種が大半であり、パソコン一台さえあればいつでもどこでも仕事ができるものです。
アフィリエイトや情報起業、ドロップシッピングなどがそのよい例でしょう。本業の片手間にいわゆるクラウドワーカーとして仕事をしている人もこれに含まれると思います。
事実、開業するにあたってはそれなりのスキルが必要となりますが、資金面で負担がかかることはほとんどないでしょうし、誰でも気軽に始められるというのも決して間違いではありません。
しかし本当に巷にある様々な副業は、そういった安全が保障されていてリスクはほどんどないのでしょうか?
「時間」もリスクとなり得る
繰り返しになりますが、確かにネット上で推奨されている数々の副業のほとんどはパソコンとネット環境さえあればよいというものが多いです。
しかしそういった事業を副業としている人の大半がほとんど稼げていないというのが実情であり、特に アフィリエイトに至っては月収数百円とか多くても数千円といったレベルの人が大半 なのです。
無論、空いた時間に少しずつやっていくというのであれば、特にリスクもないため安全といえるかもしれません。
しかし あなたの費やす「時間」そのものもコスト であり、なかなか儲からないからといって副業に時間を使い続けることはリスクとなり得るのです。
経済学に「機会費用」という概念がありますが、もしあなたがさっぱり成果の上がらない副業に費やしてきただけの時間を、たとえば本業の成績を向上させるために使ったり、あるいはアルバイトをしてお金を稼いでいたとしたらどうでしょうか?
これは何も過去を振り返って後悔しろといっているのではありません。
もしあなたが成果の上がらない副業を惰性でだらだらと続けているならば、一度冷静になって成果の上がる方法を模索したり、もしくは別なやり方で当初の目的を果たせないかということについて、ぜひ考えてもらいたいのです。
ほとんど稼げない副業を何の考えもなしに続けていたり、本業を圧迫するほどの時間を副業に無駄に使わされていたりするならば、あなたは自分の仕事のスタイルや副業に対する考え方を変えなければならないでしょう。
たとえコストがかからないといっても、副業には時間というリスクが伴うのです。あなたの貴重な時間を浪費してしまう危険があるという意味では、決して安全とは言い切れないのではないでしょうか?
「誰でも簡単に稼げる!」のウソ
特にネット上には「1日○分作業するだけで、カンタンに月収○○万円!」という謳い文句で特定のノウハウを販売されているケースが多々あります。
これはいわゆる情報商材でよく見られますが、こういった商材を利用して副業を始めようとする人は今も増え続けています。
しかし残念ながら、そういう人々のほとんどは月にせいぜい数千から数万円程度しか稼ぐことができていません。
実際に儲けているのはその商材を売っているごく一部の人だけで、そういったものを利用して副業を考えている人が儲かっているということは皆無といっていいのです。
それでは、どうしてそういう人々は目標としている月収どころか、ほとんど収入を上げることができないのでしょうか?
それは その商材の「ノウハウ」さえ取り入れれば終始ビジネスが上手くいくと考えてしまっている からです。
いわゆるネット起業で成功している人の多くは、既にリアルビジネスで成功している人やもともと起業家として知名度のある人などがほとんどであり、いわゆる情報販売やアフィリエイトを今から始めたとしても、なかなか成功するのは難しいのです。
ですから、ネット上に溢れる商材を購入したからといって簡単にビジネスが成功すると思ったら大間違いであり、結局は他の起業家と同様に、一からコツコツと戦略を立ててやっていくしかないのです。これは副業でも同じことです。
何のために「副業」をするのか?
目的を見誤ってはいけない
これまで述べてきたように、単純に副業だからといってリスクがないわけではありませんし、安全とは限りません。
ですから安易な副業によって人生の貴重な時間を浪費しないためにも、あなたは何のために副業を始めたのか?あるいはこれから始めようとしているのかを大局的な見地で考えてみましょう。
つまり、あなたの目的を明らかにするということです。
そして何より自分の「強み」を活かせる事業なのか、そして何より「自分に合っているか?」について一段高い視点から考えてみることをおすすめします。
巷ではとにかく儲かりそうな事業に片っ端から手を出すような人がいますが、仮にそれで一時的に結構な収入になったとしても、自分に合っていなければ長く続けていくことはできないでしょう。安定した収入を稼ぎ続けるには、あなたのモチベーションに関してもよく考えなければなりません。
そしてどれぐらいの時間を副業に充てることができるかをなるべく詳細に理解しておくことです。副業とはいえビジネスですから、必ずイレギュラーな事態が起こるものです。そんなときに時間を確保できるような体勢を整えておく必要もあるでしょう。
いずれにせよ、あなたは本来の目的を忘れてしまってはいけないのです。
向こう見ずに副業を続けて、あなたの貴重な時間が無為に削られることは避けなければなりません。
「ビジネス」という資産
ビジネス自体も商品となる
副業を始めるほとんどの人が、週末の空いている時間や本業が終わって帰宅した後に細々とビジネスをしています。
ですが、一度そのビジネスが軌道に乗り、お客さんやクライアントからの注文や依頼が殺到するようになると、あなたはそれまで以上の時間を副業に費やさなければならなくなるでしょう。
その結果、自分のプライベートタイムが削られてしまったり本業にも影響が出てしまったりする危険もあります。そうなってくると「そもそも副業に手を出さなければよかった」と後悔することにもなりかねません。効率の悪い副業は期待通りの収入をもたらさないどころか、時間も労力も浪費してしまうのです。
これは副業に限らずあらゆるビジネスの開業にもいえることですが、事業を始めた当初の目的を忘れてしまい、いつの間にか事業を運営するたけだけに時間を費やさなければならない生活になっていることがあります。いわば、ビジネスにあなたの時間を管理されてしまっているような状態です。
そのような状態から脱却するためのヒントとして、たとえばあのレイ・クロックは事業(ビジネス)そのものを一つの商品と捉えるべきだと提言しています。
どういうことかといえば、あなたが日々手に取る様々な商品と同じような視点で、ビジネスを捉えてみると、視野が広がるということです。
あなたが副業としてやっているビジネスに投資した時間、お金、あるいはあなた自身の労力などを、たとえばコンビニなどで手に取った商品を比較検討するように他のビジネスをやった場合、あるいは他の活動に従事した場合と比べてみましょう。
場合によっては、今やっている副業ではなく別の事業に取り組んでみたり、ビジネスのやり方を変えた方が、よりあなたの目的に近づくかもしれません。時間という資産を考えた場合、そういった選択肢を選んだほうが安全ということも有り得るわけです。
副業でもマーケティングが必要
多くの人が副業に時間ばかりをとられてしまう原因の一番は、ビジネスの「仕組み化」が不十分なことにあります。
つまり、あなた自身がその都度作業しなくてもお客さんやクライアントを惹き付け、あなたの提供している商品やサービスを購入してくれたり、案件を依頼してくれるような仕組みを作り上げるわけです。
これは一般的にはマーケティングと呼ばれますが、重要なのは見込み客にあなたの商品・サービスの必要性を感じさせることであり、あなた自身は「必要最低限」の仕事によってそれを実現するシステムを作り上げることでもあります。
あなたの扱う(あるいはクライアントに提供する)商品・サービスは、顧客のどのような問題を解決するものでしょうか?
そしてその問題を見込み客自身に理解させるためには、どういうメッセージを送ればよいでしょうか?
そういったことを総合的に考えるのがマーケティングという仕事であり、起業家にとって最重要の課題であり、当然ながら副業従事者にとっても同じことです。
あなたが本気で副業を成功させたいのであれば、起業家と同じように考え、そして行動する必要があります。
繰り返しますが、単純に「副業」だからといって侮ってはいけません。ビジネスをしているのですから、あなたの目的を明確にしてしっかりとした戦略を立てましょう。
まとめ
メインのビジネスであろうと副業であろうと、それなりに稼げるようになるためには確固たる戦略を立てて試行錯誤を繰り返していくしかありません。結局はコツコツと努力を続けていくしかないのです。
おそらく読者の方のなかには「カンタンに稼げると思っていたのに、どうしてこんなに難しいことまで考えなきゃならないんだ?」と思われた人もいるかもしれません。特にマーケティングは非常に奥が深く、人によっては取っ付きづらい分野ですので、少し年収をアップさせるぐらいで大げさだと思われるかもしれませんね。
しかしビジネスの本質に規模の大小は関係ありません。
どんな事業であれお客さんにこちらの商品・サービスの価値を理解してもらい、しっかりとクオリティの高いものを提供しなければ長続きはしないのです。
そういった活動が嫌ならば、むしろ今の本業をもっと頑張って年収アップを目指した方がキャリアアップの可能性もあるでしょうし、収入的にも安定するかもしれません。事実、副業に勤しまずに本業に情熱を燃やして成功している人はたくさんいるのです。少なくとも常にその選択肢は考えておくべきでしょう。
しかしそれでも副業にチャレンジして、将来的にメインのビジネスにしたいと考えているならば、マーケティングなどビジネスの中心となるものを勉強するなどして、本気で取り組みましょう。中途半端で成功するほどビジネスは甘くはありません。
副業を含めたビジネスにおける「安全」とは、あなた自身の知識とスキル、そしてビジネス自体の戦略の良し悪しにかかっていることを知りましょう。
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