表計算ソフトは仕事でバリバリ使っている人も多いことでしょう。マイクロソフトが提供しているExcelはその代表格ですが、Googleが提供しているスプレッドシートもとても便利で、スタートアップの企業から大企業まで、利用している企業は多いです。
仕事を効率的に行いたいと思ったときには、Excelやスプレッドシートの関数を駆使することでとても効率的にでき、周りの人からも「すごい!」と思われることでしょう。今回はスプレッドシートでもExcelでも使える基本的な関数を6つ紹介します。
サンプルシートも用意していますので、実際に見てどのように使われているのか確認してみましょう。(※サンプルシート内、赤文字になっている箇所が関数を入れている箇所になります)
関数の重要さ
目に見えて仕事効率化が図れる
毎回毎回手入力で行わければならない操作も、関数を使えば一発でできて、しかもそれが自動で更新してくれる、なんてこともよくあります。スプレッドシートでできること、関数でできることを知っているか知らないかで、1つのデータを1日かけて作るか、3分ほどで作るかが分かれてきます。
こんなやり取りもよくあります。知ってる人と知らない人とでは仕事の効率が目に見えて違ってくるので、この機会に基本的な関数を身につけて、効率化を図りましょう。
覚えておきたい基本関数
「もし◯◯だったら」の条件付けができる「IF」
基本的でかつ便利、そして使用頻度も高いのがこのIF関数です。IFは、和訳すると「もしも◯◯だったら」という意味で中学の英語でも出てきますが、その意味の通りで「もし◯◯だったら〜〜、そうでないなら☆☆」という使い方ができます。
使い方
=IF(条件, 真の処理, 偽の処理)基本はこのように、条件を指定して当てはまる時はどういう処理にするか、当てはまらない時はどういう処理かを決めて完成です。「真の処理」というのは、条件に当てはまっている時の処理という意味で、「偽の処理」は条件に当てはまらない時の処理という意味になります。
サンプルシートでは、「営業成績が80以上ならA、そうでなければ(80より下なら)B」として確認のランク分けにIF関数を使っています。
少し上級者向けですが、「当てはまらない時の処理」をさらにIF関数にすることで複数のIF関数で条件を増やすことができます。
「もし◯◯だったら〜〜、そうじゃなくてもし△△だったら□□」
例えば、サンプルシートの例をさらに広げて、「営業成績が80以上ならA、50〜79ならB、30〜49ならC、29以下の場合はD」としたい場合、このようになります。
「50〜79なら」という部分のIFですが、「79>=C4>=50」とすることはできないため、ANDという複数化できる関数を使って「AND(79>=C4,C4>=50」としています。
条件に合った数値を合計してくれる「SUMIF」
「もし◯◯だったら」で、その条件に当てはまったデータの合計値を出してくれるのがこのSUMIFなります。合計値を出してくれる関数「SUM」と、上で紹介した「IF」を組み合わせたもの。
使い方
=SUMIF(条件範囲, 条件, 合計範囲)SUMIFは、「条件を定める範囲」、「条件」という順番で最後に「合計する範囲」を指定します。サンプルシートでは、「Aランクの人の営業成績合計値」「Bランクの人の営業成績合計値」を示しています。
SUMIF関数の複数条件版「SUMIFS」
先ほど紹介したSUMIF関数は、指定できる条件が一つだけですが、複数条件をつけられるのがこのSUMIFS関数です。「S」がついただけですが、英語の複数形と考えるととっつきやすいと思います。
使い方が少し違うので要注意
SUMIFとSUMIFSを使い分けるときに気をつけなければいけないポイントがあります。SUMIFのときは、
=SUMIF(条件範囲, 条件, 合計範囲)というように、合計範囲が後に来るのに対し、複数条件ができるSUMIFSだと、
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2)という使い方で、合計範囲は最初に指定します。この違いに慣れるまでは「どっちだっけ?」となってしまいますので注意が必要です。
サンブルシートでは、「Aランクでかつ営業1課題の人の営業成績合計値」「Aランクでかつ営業2課題の人の営業成績合計値」を出しています。
条件に合ったセルの個数を数えてくれる「COUNTIF」
こちらも「IF」がついていますので、条件が指定できます。SUMと違って今度は「COUNT」となっているのでセルの個数を数えてくれる関数です。サンプルシートで言うと、条件に合った「人数」を数えてくれます。
使い方
=COUNTIF(条件範囲, 条件)COUNTIFは条件範囲と条件だけを指定すればOKです。SUMIFのような合計範囲の指定はありません。サンプルシートでは「Aランク者の人数」「Bランク者の人数」を出しています。
COUNTIF関数の複数条件版「COUNTIFS」
先ほど紹介したCOUNTIF関数に「S」がついただけの「COUNTIFS」関数。SUMIFSのときのように、条件が複数指定できるようになったのがこの関数です。
使い方
=COUNTIFS(条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2)このように、COUNTIF関数と使い方はほとんど同じで、その個数が2つ3つと増やしていけるというだけです。膨大なデータを整理する際にはよく使われる関数なので、ぜひ覚えておきたい関数と言えます。
検索条件に合ったデータを引っ張ってきてくれる「VLOOKUP」
最も便利で最も使う頻度の高いと言っても過言ではないほど広く使われている関数です。VLOOKUP関数は特定の1列の中から検索してくれ、それに対応するデータを引っ張ってきてくれる関数です。
SUMIF関数やCOUNTIF関数と比べると少しだけ難しく感じてしまうので、サンプルシートをもとに詳しく説明していきます。
サンプルシートでは表が2つあり、大きく右と左に分かれているのですが、左が元のデータです。右のデータは左の元データから必要なデータをVLOOKUPを使って引っ張ってきたものになります。
VLOOKUP関数はI4のセルから下に入っているのですが、何をしているかというと、「H列の人の営業成績を、元のデータ(左の表)と照らし合わせて引っ張ってきている」ということをしています。
使い方
=VLOOKUP(検索値, 検索範囲, 取り出したい列番号, 検索方法)このようになりますが、一つずつ砕いて見ていきましょう。
探したい値(サンプルシートI4セルで言うとH4セルの水無怜奈)
検索範囲:
検索値をどの列から探して、どの列のデータが欲しいかまでの範囲(サンプルシートI4セルで言うとB4からC10までの範囲)
今回B4〜B10までの中で水無怜奈を探し、あったら同じ行のC列の値を引っ張ってきたいのでB4〜C10までと検索範囲を指定する
取り出したい列番号:
検索範囲で検索をかけたい列(一番左の列、ここでいうB列が検索をかける列)から右に何列目なのか
2列右のデータが欲しいなら「2」、5列右のデータが欲しいなら「5」を指定する
検索方法:
完全一致にするか、近似値にするか
完全一致の場合は「0」または「FALSE」を、近似値の場合は「1」または「TRUE」を指定する
ほとんど完全一致しか使わないと思うので、ここには「0」(もしくは「FALSE」)と入れておけばいいんだ!というくらいに思っておいて問題ない
分解するとこのようになります。I4セルに入れてある関数を言葉で説明するなら、
「水無怜奈をB列の中から完全一致で探して、あったらC列の値(B列から右に2番目の値)を出してね」
というのがしっくり来るでしょうか。慣れるといろいろな応用技を使えるようにもなり、さらにVLOOKUPの便利さを体感できるようになりますので、まずは使い方とどんな場面で役立つかをしっかり理解しましょう。
「$」は固定を意味する
サンプルシートを見ると検索範囲が「B4:C10」ではなく、「$B$4:$C$10」といったように「$」の文字がありますよね。これはその列or行を固定する意味を持っています。
固定とはどういうことか、なぜ固定する必要があるのかというと、関数を一つのセルに入れてその下も、さらにその下も入れたいとき、関数を入れたセルの右下にマウスを合わせてドラッグして下に引っ張ることでコピーすることができますが、これをすると「B4:C10」で指定していたものが「B5:C11」〜と1つずつズレていってしまうので、これを防ぐために「$」を使って固定します。
列の前に「$」を入れることで列が固定され、行の前に「$」を入れることで行が固定されます。今回で言うと、Bの前に「$」を入れることでB列が固定され、4の前に「$」を入れることで4行目が固定されています。
使う場面によっては列だけだったり行だけだったりを「$」で固定することもできますので、実際に使ってみて理解していきましょう。
まとめ
まずは理解しておきたい基本的な関数を紹介してきました。IFやSUMIF、COUNTIFなどは比較的簡単で理解しやすいのですが、VLOOKUPは多少難しいかもしれません。身につけるには実際にデータや表を自分で作ってみるのがベストなので、自分の仕事や趣味でデータ化できるものを見つけて関数を使ってデータの整理をしてみてはいかがでしょうか。
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