一般的に「人見知り」とは、周囲から何らかのかたちで否定されてしまうことに対する恐怖心が強いために、他人と積極的に接することを避けてしまっている人のことでしょう。

周囲からの評価も人一倍気にしてしてしまうため、特に人と接する仕事の場合は業務に支障を出してしまうこともあるかもしれません。

しかしどんな人でも自らの達成したい目標を明らかにして、そこに向かうために自分自身に効果的な質問をすることによって生産性の高い仕事をしていくことができるようになります。

 

人見知りの共通点

背景にあるのは不安や恐怖

人見知りは相手から否定されてしまう恐怖感が強く、自分から周囲に対して積極的にアプローチしていくことが困難な人であるといわれます。

特に他人の目が殊更に気になったり、少しでも「何か失敗をしてしまうんじゃないか?」といった懸念が頭の中を支配してしまい、思うような行動をとれなくなってしまうという人も決して少なくはありません。

世の中には外向的な人もいれば内向的な人もいますが、後者は人見知りになりやすく、他者に対してどこか遠慮がちで、たとえそれが必要なことであったとしても言えなかったりする人もいるようです。いつもどこか気後れしてしまっているのです。

しかし、それが特別に精神的なカウンセリングが必要なレベルでもない限り、実際は当人が思い込んでしまっているほど振る舞いにおかしいところはありません。本人が「おかしいと思われるのでは?」とたんに心配しているだけなのです。

意思よりも恐怖感を背景とした感情が優先してしまうのが人見知りの特徴ですから、自分のそういった特徴を理解し、自らの目標に向かって進んでいかなければいけません。

 

自分の目的・目標を明らかにしよう

もしあなたが人見知りだと自覚していて、仕事で何らかの支障を感じているというのであれば、まずは「あなた自身の目的・目標」を明らかにしてみましょう。

あなたの目標は何でしょうか?
あなたは人生で何を達成しようとしていますか?

唐突な質問に思われるかもしれませんが、こういった質問に積極的に答えていくことが人見知りを克服していくうえで有効となります。
なぜなら、これによってあなた自身の視点を「周囲から否定される恐怖」から「自らの夢や目標を達成すること」へと移していくことができるからです。

自分自身を拘束してしまっている感情から、あなた自身が仕事で積極的に活躍するために必要な感情へとシフトさせましょう。
そのためにはあなた自身に「効果的な質問」をしていく必要があります。

 

自分に効果的な「質問」をする

人は1日に数万回も「自問自答」している

あなた自身に効果的な質問をすることの重要性について、いわゆる「コーチング」の世界で有名な堀江信宏さんは自らの著書『人生の悩みが消える自問力』の冒頭の部分で、以下のように述べています。

 

『どうすれば望む現実を手に入れられるのか。どうすれば、今よりもっと素晴らしいステージに進むことができるのか。すべては自問自答の質次第で、最高の人生を作り出すこと ができるのです。

私たちの人生は、すべて自問自答に左右されています。人は誰でも、1日に3万回以上も自分に質問をしていると言われます。それによって心の中で「もう一人」の自分が起動し、心の中で対話が起こり、その対話により、私たちが選びとる行動が決まっていきます。 うまくいく人と、そうでない人は、この自問自答の質が異なっているのです。』

(堀江信宏『人生の悩みが消える自問力‐「5つの質問」と「自問自答」ですべてが好転する』,ダイヤモンド社,「はじめに」より)

 

このように、人は1日に数万回もの自問自答を無意識のうちに繰り返しているといわれているのです。特に人見知りの人は、この自問自答の内容が「あの人から拒絶されるのではないか?」といった恐怖についてだったり「あの人は○○に違いない」といった一方的な考えを頭の中に巡らせてしまっているために、なかなか積極的な行動に出られないでいるのではないでしょうか?

あなたが人見知りで、それでも生産的な仕事をして周囲から認められたいと思うならば、まずはそういったネガティブな「自問自答」をやめる必要があるでしょう。

 

「よい質問」は「よい行動」を引き出す

堀江さんは、そういったネガティブな自問自答ではなく自らに効果的な質問をすることを『自問力』と定義されていますが、この『自問力』によって自分の夢や目標に繋がる積極的な行動を自らに促していくことができるようになります。

自分自身に「よい質問」をすることで「よい回答」を引き出し、それを積極的な行動へと繋げていくのです。それによってあなた自身を縛り付けていた人見知り特有の狭い考え方も変えていくことができます。

そのために、まずはあなた自身が人生で「望むもの」や「達成したい目標」について明確にしなければならないのです。

一度時間をとってじっくりと考えてみましょう。日頃からこういったことを考えている人も、もう一度時間をかけて考え直してみてください。
あなたが人生で達成したい目標は何でしょうか?
より具体的には『あなたが人生で得たい「結果」は何か?』ということです。

実はこれこそが効果的な質問の第一歩なのです。まずは自らの欲しい結果を明らかにし、それに繋がる質問を繰り返していくことで、今現在のネガティブな側面にフォーカスしてしまっている意識を前向きでクリエイティブな発想へと切り替えていくわけです。

 

道を切り拓く5つの質問

効果的な質問のプロセス

先ほど紹介した『人生の悩みが消える自問力』では、人見知りの人が陥りがちな恐怖心や不安感に基づいた無意識の自問自答から、前向きで建設的な自問自答へと切り替えていくことによって積極的な行動へと変えていくことができることを示唆しています。

そのために以下の『5つの質問』を自らに投げかけてみることを推奨しています。

質問 ①「自分が得たい結果は何だろう?」…問題を「自分事」としてとらえる質問
質問 ②「どうして、自分はそれを得たいのだろう?」…自分の目的を明確にする質問
質問 ③「どうしたら、それを実現できるだろう?」…可能性に目を向ける質問
質問 ④「これは、自分の将来にとってどんな意味があるだろう?」… いい意味づけをする質問
質問 ⑤「今、自分がすべきことは何だろう?」… 自分を動かす質問

出典:『人生の悩みが消える自問力‐「5つの質問」と「自問自答」ですべてが好転する』

これらの質問は特に人見知りを自覚している人が、仕事をしていく上で何らかの壁にぶつかったときに効果を発揮するものだと思います。

 

「自問」は人見知りにとって効果的なアプローチ

まずは①と②の質問によって、人見知り特有の不安感・恐怖感などのせいで狭くなってしまっている視点を広げ、自らが価値ありと認めた目標に自らの目を向けさせることができるようになります。

つまり自分自身と対話することでより広い視点で物事を考えられるようにするわけです。そしてその先にはあなた自身のゴールがあります。
そうやって目の前の問題を定義し直した後に、③から⑤の質問によって具体的にどうすればその状況を実現できるようになるかを考えるわけです。

 

これは非常に効果的なアプローチといえるでしょう。
特に人見知りの特徴をもつ人はどうしても視野狭窄に陥りがちであり、目の前の問題を自分が勝手に作り出した「前提」を基に考えてしまう傾向にあります。

たとえば「上司がこんなキツい仕事を押し付けてくるのは自分のことが嫌いだからだ」とか「取引先の機嫌が悪いのは自分のせいだ」といったふうに、どうしても目の前の出来事をマイナスの方向に捉えてしまいがいです。

しかし自分自身のしっかりとした目標を設定したうえで、この5つの質問を自分に投げかけてみることで、あなたが無意識のうちに設定していた前提が必ずしも根拠があるわけではないことが分かってくるでしょう。むしろ「そうに違いない」と自分で勝手に思い込んでしまっていたことの方が多いはずです。

 

視野を広げる質問

たとえば「無理難題ばかり押し付けてくる取引先」がいたとします。

程度の差はありますが、そういった相手とうまくやっていくのはたとえ人見知りの人でなくても難儀するものでしょう。
しかし効果的な質問を自分にすることによって、そういった相手とどうやって付き合っていけばよいのかが明らかになってきます。

その人の「得たい結果」が「○○年後に起業する」ということならば、その取引先に今のうちに気に入ってもらうことで、独立後の得意先として育てることができるかもしれません。そう考えれば、たとえ難しい案件だったとしても、先方の「信頼を勝ち取るためにどうするか?」という視点が生まれるはずです。

 

あるいは理不尽な上司がいたとしても、湧き上がった怒りを将来の自分の活躍のためのエネルギーとすることもできるでしょう。相手の振る舞いを反面教師として自分自身を磨こうという視点が生まれるからです。

特に人見知りの人はネガティブな出来事に動揺しがちな傾向がありますから、積極的に「望む結果」を明らかにして、それを実現するための自問自答をするようにしましょう。それが視野を広げ、積極的な行動へと繋がるはずです。

 

仕事でこそ必要とされる自問力

このように、自分自身に効果的な質問を投げかけることで、たとえどういった状況でも建設的でクリエイティブな行動をとることができるようになります。
これは言い換えれば、常に「自分にとって本当に重要な事柄を軸に物事を考えていく」ということに他なりません。

これはともすれば「自己中心的」と思われてしまうかもしれませんが、決してそういうことではありません。
常に自らの夢や目標に繋げられる行動をとることによって、周囲にもよい影響を与えられるということなのです。これは物質的・精神的な面の双方からいえることでしょう。

人見知りの人は「心の状態を形成する価値観の前提となる認識があまりに一人よがりであることが多い」のです。

それが仕事でも悪影響を及ぼし、周囲のちょっとした言動や出来事にも「○○に違いない」とか「××だからダメだ」といったマイナスのレッテルを貼ってしまうわけです。それがあなたの行動の足かせとなり、結果として仕事で思うような結果を残せないといったことにも繋がっています。

そこで自分自身に夢や目標を軸とした質問を投げかけ、そこからさらに必要な行動を洗い出すための質問をすることで、最終的に人見知り自体も克服できるようになっていくでしょう。

結局のところ、人見知りとはその人の偏った価値観が根底にあります。
その価値観を積極的に変えていくのが優れた質問を自分に投げかけるという行為なのです。

 

まとめ

たとえ仕事でネガティブなことが起こったとしても、あなたは自らの価値観を俯瞰し、そこに偏りがないか確認する必要があります。もし少しでも考え方が偏っていると感じたならば、ぜひこれまで述べてきたようなプロセスを重視しましょう。

どんな人でも叶えたい夢や目標があるはずです。まずはそれを日頃から意識するようにしてください。それを価値観の中心に据えるのです。

そしてさきの『5つの質問』に従って目の前の仕事の意味や相手の発言の意味を捉えなおしてみましょう。きっとこれまでの「人見知り思考」では導き出すことのできなかった答えが出てくるはずです。

それこそが、あなたを生産性の高い仕事に導く原動力となるのです。

カテゴリー: 仕事術

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新卒で入った会社をわずか1週間で辞め、個人事業主として生きています。メディア運営の知識やノウハウを最大限発信していきます。

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