あなたは「プチ起業」という言葉があるのをご存知でしょうか?

近年、自分の好きなことや得意なことを生かして小規模のビジネスを始めようとする人が、女性を中心に増加しているといいます。一部では「ブームは去った」と言われているようですが、実際は今も小規模ビジネスを始める人は増え続けているのです。

もしかしたら、あなたもそういったビジネススタイルに憧れているプチ起業志望者の一人かもしれませんね。

そこで今回はいわゆる「プチ起業」の説明から、その実態、そして成功するためのポイントなどをヒント形式で述べていきます。

 

「プチ起業」とは

女性に人気の小さなビジネス

「プチ起業」とは、必ずしも会社に囚われない自由なライフスタイルを目指して自分で小さなビジネスを立ち上げて商売を始めることであるといわれます。

特に女性に人気の起業方法であるといわれており、子育てがひと段落した主婦や両親の介護をしながらも働きたいと考えている女性達が、新しい自分だけの「キャリア」を形成するために起業を試みるケースが増えているのです。

一般的に現代の「起業」といえば、これまでの考え方に囚われない自由な発想によってビジネスを展開していくわけですが、プチ起業の場合は特に「自分らしさ」や「自己表現」にフォーカスを当てて、一つの働き方として起業を選ぶという色彩が強くなっているようです。

その背景として、出産やパートナーの転勤などでこれまでの環境から離れた結果、社会から孤立してしまったと考えてしまう人が増加していることが挙げられます。

そのため働くことを通じて自分を表現できる場や周囲との交流の場をつくりたいという思いから、自分らしい働き方を模索した結果、起業という流れに至った人が増えているわけです。

 

普通の「起業」と何が違うのか?

パソコン

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ただしビジネスという視点からみれば、これまでの「起業」の形態と変わることはありませんし、あくまでも個人事業としてビジネスを運営している人も多くいるのが実態です。

ですので、新しい起業のスタイルが確立されてきたというよりは、むしろ「起業」という一見敷居が高そうに感じる生き方に新しいコンセプトを取り入れることで、誰でも気軽にビジネスを始められるように演出された用語だと考えることができます。

事実、主婦のように自由に使える時間が限られているという人でも、自分でビジネスを運営することができ、育児や家事と両立することができる仕事のスタイルとして人気を呼んでいます。

今では様々な「プチ起業」に関するセミナーも開かれているようですし、起業家仲間同士のネットワークも充実してきているのです。

 

プチ起業で多い業種

子育て

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プチ起業で選ばれる職種としては、やはり女性が多いためか「子育て」に関する情報を提供する人や、実際に子供を集めて様々な教室を開く人も多いようです。
また、自宅を改装して小さな店舗を開く人やネットショップを開設する人も増え続けているといわれます。

男女問わず「講師業」や「アドバイザー」といった肩書きで、それぞれの強みを活かしてお客さんを集め、セミナーを提供することでお金を稼ぐ人も多いです。おそらく現段階で最も大きな市場を占めているのがこういったセミナー業ではないでしょうか?

それから、いわゆる「クラウドワーキング」によって副業感覚でビジネスを始める人もいます。そのほとんどは仲介サイトなどを利用して文章のライティングやWEB制作などの仕事を請けて納品していくわけですが、好きな時間に好きなだけ仕事をすることができるので、とりわけ子供をもつ母親に人気の職種といえます。

他にも自分で子供服や雑貨を制作してネットショップで販売したり、メーカーを立ち上げたりする人もいるようです。
中には子供の学生時代の制服をいつまでも飾っておきたいというニーズに応えるために、学生服専用のミニチュアを制作して成功している主婦の人もいるのです。

このように、本当に様々な業種でプチ起業が広がっており、アイデアと運営次第でサラリーマンの年収を凌ぐほどの高収入を得ている起業家も沢山出てきています。

 

決して簡単ではない「プチ起業」の実態

「見切り発車」してしまう人が多い

ペンとノート

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しかしこういったプチ起業に成功している人がいる一方で、多くの人は理想と現実の落差に疲れてしまったり、ビジネス自体に問題を抱えてしまうケースも後を絶たないようです。
そしてそのような問題を事前に見越していた人々からは、プチ起業それ自体に対する批判もたくさん寄せられているのが実態です。

特にビジネスに対する認識の甘さを指摘するものが多く、事業に対する責任感がなさ過ぎるプチ起業家に対して憤慨している人もいるのです。

事実、プチ起業を志す人のなかには、具体的にどういうビジネスをするのかすら決めないままに、会社を設立してしまったという人もいますし、単純に趣味を商売に拡張しただけでお客さんのことを考えていない人も相当数いるようです。

そういった人が増えてしまうと、起業という行為そのものに対する懐疑が広がってしまう可能性も否定できません。そうなると、周囲の起業家にも悪い風評が広がるおそれもあるのです。

 

個人事業主の方がよい場合も

確かに現代は誰でも簡単にビジネスを始められるようになりましたし、そのためのインフラも十分整っています。
しかしだからといって、気軽に起業して思い通りのライフスタイルと年収を手に入れられるかといえば、決してそうではありません。

詳しくは後述しますが、どれほど規模の小さいビジネスであっても「定跡」というものが存在します。ビジネスには「これをやれば必ず成功する!」と保障されているノウハウや方法は存在しませんが、逆に「こうすると絶対に失敗してしまう」という落とし穴は無数に存在しているのです。

会社運営の知識が全くないままに無理に法人化してしまって、諸々の手続きに追われている人もいますから、まずは個人事業としてビジネスを開業することも選択肢の一つとして考えるべきでしょう。

 

ビジネスに必要なのは「見込み客」と「戦略」

まずは「プロ意識」を持とう

ビジネス

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プチ起業を志す人の特徴として、実際に会社を経営するほどのリスクを負いたくないという人が多いようです。あくまでも趣味の延長線上であったり、家庭と両立しながら自分のペースで仕事をしたいという考えが背景にあるのでしょう。

また、趣味や社会奉仕活動とビジネスを一緒に考えてしまっているプチ起業家が沢山いることも問題視されているようです。

そういったプチ起業家は、まず「プロ意識」をもつことから始めなければならないでしょう。いかなる分野であれ、お客さんからお金をもらって商品・サービスを提供する以上はプロでなければならないのです。

残念ながらビジネスをしているにもかかわらず、プロ意識が足りないために中途半端なクオリティの商品をお客さんに提供してしまったり、取引先に仕事を丸投げしていきなり廃業してしまう無責任な人もいるようです。

起業家にはビジネス全てに対する責任があります。趣味で始めたから、あるいは思ったようにいかないからといって外部に迷惑をかけてはいけませんし、お客さんにも迷惑がかかってしまいます。

たとえ規模は小さくても、ビジネスとしてお客さんを巻き込む以上は、プロとして責任をもちましょう。

 

何よりも重要なのは「見込み客」

買い物

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そしてビジネスの規模はどうあれ、起業家にとって一番重要なのは「見込み客」を獲得することでしょう。

いかなる分野や規模のビジネスにとって、最も難しいのは新規の顧客を獲得することであり、しっかりと取り組むべきテーマです。事実、オンラインのビジネスでも実店舗の経営であっても、操業当初の最大の問題は見込み客を実際のお客さんに変えることなのです。

何よりもビジネスが衰退してしまっているとき、頼りになるのは既存顧客からの売り上げですから、継続的に新規顧客を獲得して長く自社製品を買ってもらうお客さんになってもらわなければなりません。

ですから、これからプチ起業をしてビジネスを始めようとしている人もいかにして新規のお客さんを獲得するのかについて、確固とした方針をもっていなければならないのです。

あなたはどうやって新規顧客を獲得するつもりでしょうか?

少なくともこの問いに自信をもって答えられるように、自らのビジネスを明確にしておかなくてはなりません。

 

ビジネス戦略を立てよう

グラフ

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成功している起業家は、ビジネスを始める前から「どういうカタチで利益を上げるのか」について明確な指針を設けています。これを「ビジネス戦略」といい、正しい戦略を策定しそれに従って日々の営業活動を行うことで、彼らは実際にビジネスを成功に導いているのです。

しかし失敗するプチ起業家は、ビジネス上の戦略はおろか「○○万円儲けたい」といった程度の漠然とした目標しかもたずに「見切り発車」でビジネスを始めてしまいます。
当然、日々の行動も行き当りばったりとなり、ビジネスの運営に重要な行動を見極めることができません。

その結果、常に目の前の作業に時間を取られるようになってしまい、気がつけば時間が足りないうえに利益も残らないという最悪のスパイラルに陥ってしまうのです。
既述した「こうするとビジネスは絶対に失敗する」というのは、まさにこのことです。

そういう起業家には戦略がないのです。戦略なきビジネスは必ず失敗しますし、それはビジネスの規模の大小を問いません。
逆に、しっかりと策定された戦略に基づいたビジネスにはきちんと利益が残ります。なぜならば、一時的にうまくいかなかったとしても戦略をブラッシュアップしていくことで、徐々に市場のニーズに適合させていくことができるからです。

一方、何の戦略も立てず向こう見ずにビジネスをしていれば、何が失敗の原因となっているのかもほとんどわかりません。残念ながら、圧倒的多数のプチ起業家が戦略のないままビジネスを運営して失敗しています。

あなたがもしプチ起業を目指しているのならば、まずはあなた自身のビジネス戦略をしっかりと策定しなくてはならないのです。

 

「嫌いなこと」にどう対処するか?

「好きなことをしたい!」というプチ起業家は多いが・・・

雑務

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多くのプチ起業家は「好きなことでビジネスをしたい!」と考えているでしょう。これはある意味、一般のスモールビジネスの創業者でも考えていることかもしれません。
裏を返せば「嫌なことはやりたくない」という感情があるわけです。

確かに生産性の面からいえば、ビジネスにおいて嫌いなことをしなくていいというのはアドバンテージになり得ます。自らの強みを活かせる分野の仕事に特化することができれば、嫌いな作業を所々にやるよりも、圧倒的にパフォーマンスが違ってきます。

しかしだからといって、ビジネスにおいて嫌いなことを避け続けていれば、いずれ確実に問題が起こることになります。
巷の情報を自分の解釈だけで鵜呑みにしてしまってはいけないのです。

 

嫌いなことを「無視」してはならない

それではプチ起業において、嫌いなことは必ずあなた自身がやらなければならないのでしょうか?

これには様々な意見があると思いますが、多くの起業家は自分の弱みが露呈するような作業に時間を費やすべきではないと言っています。自分の好きなことならば疲れ知らずでいられる人も、嫌いなこととなると無駄な労力を費やしてしまうことが多いのは事実だからです。

ポイントは、嫌いなことは「無視せずにうまく管理をする」ということです。障害は取り除くか回避すべきですが、嫌いなことだからと無視してしまっては、その問題はずっと残り続けることになります。それがビジネスに悪影響を及ぼすようになってしまうのです。多くのプチ起業家が、このジレンマに頭を悩ませているでしょう。

ですから、あなた自身が嫌いなことをしなくてもビジネスが回る方法を考えればよいのです。その一番簡単な方法が「人に任せる」とか「外部に依頼する」ということです。

 

一人で仕事を抱え込まないようにする

ミーティング

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多くのプチ起業家が、自分ひとりで仕事を抱え込んで「こんなに忙しいなら、独立なんてしなければよかった」と後悔の念に打ちひしがれています。

しかし苦手な作業や嫌いな仕事さえきちんと管理できれば、たいていの起業家は自らの得意とする仕事に特化できるはずなのです。その代表例が作業のアウトソーシングでしょう。
言い換えれば、自分の嫌いなことや弱みが露呈するような作業は、誰かそれが得意な外部者に任せてしまえばよいということです。

そうすれば、あなたは当初の理想通り自分の好きな仕事に時間を割くことができるようになります。たいていの起業家は、嫌いな仕事を管理することを避けているために、結局嫌いな仕事を溜め込むことになっているわけです。これではビジネスの成功も難しいでしょう。

ただし、それでも創業段階や成長初期段階のおいては、ビジネスを維持するために最低限のことはしなければなりません。
嫌いな仕事は「管理」できるのみであって、そこから完全に逃れることはできません。起業前の人は、このことをよく覚えておいてください。

 

まとめ

これまで「プチ起業」の現状や問題点などについて述べ、ビジネスを成功させるためのヒントについても説明してきました。もしかすると努力要らずで夢のビジネススタイルが手に入ると考えている人には厳しい内容だったかもしれません。

しかし現実問題として、起業すればビジネスの全責任はあなたが負わなければなりません。他に誰もやってくれる人などいないのです。

その責任に耐え切れずに廃業してしまう人もいますが、プチ起業に成功することで充実した生活を手に入れている人も多くいます。
その違いこそが、自分のお客さんをよく理解していることと、長期的な計画をしっかりと策定しているということです。即ち、確固としたビジネス戦略をもっているのです。

あなたがもしこれからプチ起業家としての一歩を踏み出そうとしているならば、ぜひ本記事を参考にして、明確な目標をもって始めましょう。決して「なんとなく」のまま起業してはいけません。


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新卒で入った会社をわずか1週間で辞め、個人事業主として生きています。メディア運営の知識やノウハウを最大限発信していきます。

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