「よいアイデアを思いついたが、果たしてこれはビジネスになるのだろうか?」
起業を目指している人、起業家になりたいと考えている人ならば、一度はこの質問を自分に投げかけたことがあるのではないでしょうか?

事実、起業して自分のビジネスをしてみたいと考える人は増加傾向にありますし、起業自体のハードルも下がっているといわれています。そんななかで、もしかすると「これはビジネスになるのでは?」と思えるようなアイデアを思いつくこともあるでしょう。

今回は、そういったビジネスアイデアについて考えていきますが、よくある「ビジネスになる起業アイデアを生み出す方法」などではなく、実際に成功した起業家たちが、いかにしてアイデアを実際のビジネスに結びつけていったのかという視点を重視してみたいと思います。

 

アイデアだけで成功できるか?

起業家の実態

business

多くの起業本やそれに類するビジネス書では、まずは「起業のためのアイデア出しから始めましょう」といった内容からスタートすることが多いと思います。

そういった書籍やサイトの情報では、様々なアイデアを出す方法論を紹介したり、それらをビジネスに転化していくためのノウハウを説明したりといった内容のものがほとんどでしょう。たとえば、2つのアイデアを組み合わせて新しい商品を考えたり、あるいはブレインストーミングのような方法で、次々に起業案を出していくといった類のものです。

確かにこういった方法で実際に起業にまで結び付けている人もいますし、立派なビジネスに成長させることに成功した人も少なくないかもしれません。
しかし、様々な分野における起業家の姿を検証してみたり、あるいは実際に成功している企業を分析してみると、こういった考え方とは少し違った景色がみえてきます。

 

それは「成功している企業のほとんどは、一見斬新なように見えても、その実態はごく普通のビジネスをしている」ということです。
よくテレビなどで珍しい商売をしている人が特集されたりしますが、実はああいった人々はごく少数であり、大半の起業家はごくありふれたビジネスをしているのです。

詳細は後に述べますが、現在起業するためのアイデアを探している人や、既にアイデアを持っていて、どうやってビジネスに結び付けようかと考えている人には知っておいてもらいたいことがあります。

それは起業の成功のために重要なのは「あなた自身が起業アイデアを収益に結びつけるまで粘り強くビジネスをブラッシュアップできるか」ということです。
つまり、重要なのはアイデアそのものではなく、それを市場のニーズに合わせてブラッシュアップできるかどうかということに尽きるのです。

いかに優れたアイデアも、それだけでは起業の成功に結びつけることはできません。まずはこの前提を押さえておかなくてはならないのです。

 

内部的要因も無視してはいけない

パソコン

そういった事実を確認したうえで、多くの成功した起業家がどのようにビジネスを設計しているかを確認してみましょう。

実は、成功した起業家の多くは他の人に「こうすれば儲かる」とか「こういうビジネスがいい」と言われたことではなく、起業家自身が好きなことをベースにビジネスを設計していることが多いといわれています。

これは言い換えれば、起業家自身の熱意や得意分野、あるいは経験を十分に生かせる分野で起業しているということを意味します。つまり、自分の「外」だけではなく「内」にも注目してアイデアを出す必要があるということなのです。

人によってはそういった分野を「ホットスポット」などと表現しています。つまりは、あなた自身が起業して成功しやすいスポットという意味であり、思いついたアイデアをその範囲でビジネスに昇華できないかと考えるわけです。

ですから、単純にアイデアを思いついたからすぐに起業しようと考えるのではなく、少なくともあなた自身が長期的にビジネスを設計できるものなのか、よくよく検討する必要があるのです。特にあなたが数年後も熱意を持ち続けられる分野なのか冷静に考えてみることが大事です。

あなたの設計したビジネスの全責任をとるのはあなたです。したがって、あなた自身をもとにビジネスを構築するという視点が非常に重要なわけです。
単に良さそうなアイデアを思いついたからといって、自分自身のことを知らないまま起業することは避けなければならないのです。

 

注意すべき「落とし穴」

儲けるためのノウハウはアイデアとは言わない

後悔

もう一つ、起業のアイデアを探している人が注意しなくてはならないことがあります。それは「儲けのノウハウ」をアイデアと勘違いしてはいけないということです。

巷には「儲けのノウハウ」や「ビジネスチャンス」などの金持ちになるための方法論を商材化しているものが沢山あります。
こういったものは「たった○日間で×××万円稼いだ」とか「1日○分の作業で月収××万円」といった売り文句でノウハウを購入する起業志望者を集め続けています。

しかし、こういったノウハウを購入して実際に儲けている人はほとんどいません。仮にほんの一握りの「儲け組」に入ったとしても、結局長続きせずに終わってしまうことがほとんどだといわれています。

 

それでもこういった商材がなくならないのは、常に一定層の起業志望者が「儲けの機会」を探し求めているからです。こういった人々は、いつも「何か儲かるビジネスチャンスはないか?」と探し続けています。しかしいつまで経っても長期的に安定したビジネスを構築することはできません。

彼らが興味を示すのは、たとえばある市場における最新のビジネスパッケージや、多くの人が知らない(といわれている)儲けのテクニックなどです。

あるいは、最新のサイトへのアクセスアップ方法やクロージングの方法など、ビジネスにおける一定分野の成功ノウハウだったりすることもあります。
即ち、彼らは他の誰も知らないようなビジネスノウハウをひたすらに探し回っているわけです。

 

こういった人々の価値観には共通点があり、他の誰も知らないような方法やチャンスをものにすれば成功できるというものです。
しかし残念ながら、こういった考え方はほとんど失敗します。なぜならば、彼らは初めから「答え」を探し求めているのと同じで、あるノウハウやテクニックを手に入れることができれば、自ずと成功すると考えてしまっているからです。

こういった儲けの方法論をアイデアだと思っていはいけません。ノウハウはどこまで行ってもノウハウであり、長期的な利益をもたらすアイデアではないのです。

 

既存市場の問題点を考察し、解決策を提示する

デザイン

実際に長期的にビジネスを成功させている起業家は、決してそういったノウハウを探し求めるようなことはしません。

彼らは一時的な儲けのテクニックを追い求めるのではなく、あくまでも既存の市場において問題点を分析し、その分野のお客さんに解決策を提示することでビジネスを成功させていることがほとんどなのです。

いわば、彼らは何の変哲もない普通の市場で普通のビジネスをしています。しかし提供する商品やサービス、あるいはその提供方法に「ひねり」を加えることで既存の競合との間に「差別化」をはかろうとするのです。

また、彼らの提供するビジネスには確固とした「ビジョン」が存在します。言い換えれば、今あるビジネスの範囲内で新しいコンセプトを生み出し、それを一つのビジョンに集約させ、顧客に提示するのです。成功しているビジネスは、そのビジョンが多くの顧客に受け入れられたということを意味します。

即ち、本当の起業家にとってのビジネスチャンスとは、既存市場の「問題点」や「改善点」ということになります。
そういった問題点・改善点を発見し、その市場を利用している多くのお客さんが感じている不満を解消することで利益に結びつける者こそが、真の起業家といえるのです。

今現在ビジネスアイデアをもっている起業志望者は、このことを忘れてはいけません。ビジネスは「お客さんありき」です。彼らの抱える問題やフラストレーションを解決するアイデアを考えなければなりません。

 

ビジネスは価値の提供

女性

このような「真の起業家」は、あらゆる市場に何らかの問題点が存在することを知っています。
そこで自分自身が熱意をもって取り組める市場、得意分野を生かせるビジネスであることを前提にして、自身の経験や才能、長所などが生かせるアイデアを考え続けているのです。

起業というと、どうしても市場の状況だけに目が行きがちですが、優れた起業家は自分自身の内面こそを重要視します。
なぜならば、自らの能力を存分に活かせる市場こそが最も優れたアイデアを提案できることを彼らはよく知っているからです。

ビジネスとは、市場に価値を提供することでお客さんの人生に違いをもたらすことなどと言われますが、その前提として起業家自身の人生に違いをもたらすことでもあるのです。
そのような自らの強みを存分に活かせる分野、活かせる仕事を前提にアイデアを生み出すというアプローチが重要なのです。

 

強みを活かせるスポット

ネット

これまで述べてきたように、起業家自身の経験や才能を活かせる分野において生み出されたアイデアは、長期的に安定した利益をもたらす優れたビジネスを生み出す礎となります。
したがって、そのような「ホットスポット」とでも呼称すべき分野を追求することは、起業家にとって非常に重要なことです。

自らの才能や経験を活かせるスポットを発見できれば、起業家はその市場においてマーケットリーダーとなれる可能性がありますし、自分のやりやすいビジネスを構築することも可能になります。
なぜならば、ビジネスそのものが起業家自身の「強み」の上に築かれるからです。

そうなると、その市場においては誰もあなたに勝つことはできなくなります。なにせ自分自身をベースにビジネスを設計しているわけですから、他にあなたほどの熱意も才能も持ち合わせている人は存在しないでしょう。その分野では名実ともにあなたが最強であり、あなたは自分自身のルールでビジネスをすることができるわけです。

それにあなたがもし自分の強みの上にビジネスを作り上げることができれば、あなたは自分のビジネスを楽しみながら運営することができます。そのような起業家に好きでもないビジネスを「儲かりそうだから」といって始めるような人が勝てるはずがないのです。

あなたの「強み」を理解して、それを存分に活かせる市場を明確にするのです。その上で優れたビジネスアイデアを発見しましょう。

 

まとめ

あなたが本記事で述べたようなホットスポットを発見し、それに基づいたアイデアを発見するまでにはそれなりの労力と行動が求められるでしょう。自分自身を深く省みることも必要となるはずです。

しかし、優れたビジネスのほとんどは、起業家自身の内面からも生み出されるという事実を無視してはいけません。世に溢れる多くの起業ノウハウは、こういった側面が軽視されており、ひたすら儲かるビジネスシステムの作り方といった外面的な要因を重視してしまっています。

あなたが起業志望者であり、起業するためのアイデアを探しているならば、本記事で述べたことを忘れないでいただきたいと思います。
ぜひ自分自身をよく分析し、自分の強みを活かせる市場を見つけて下さい。そのうえで、あなたの狙う市場の潜在顧客をしっかりと調査しましょう。

本当に優れた起業アイデアを発見するためには、こういった事前準備こそが必要なのです。

カテゴリー: 起業・独立

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新卒で入った会社をわずか1週間で辞め、個人事業主として生きています。メディア運営の知識やノウハウを最大限発信していきます。

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