ブログの運営において「ターゲット」と聞くと、特にマーケティングなどに興味のない人にとっては大げさに聞こえるかもしれませんし、そんなもの必要ないと思う人もいるかもしれません。
しかしブログに限らず、ほとんどのネットコンテンツではターゲットの設定こそが成功の成否をわける大事な要素なのです。これはどんな分野でブログを運営する場合でも当てはまることです。
そこで今回は特にビジネスブログの運営を前提として、情報を提供するターゲットを明確にすることの重要性について説明します。
「ターゲット」の重要性
世界的企業とターゲティング
ブログなどのコンテンツを有効なネット・メディアとして育て上げるには、好きに記事を執筆して更新し続けるだけでは意味がありません。提供する情報が読者を惹き付け、継続的に読もうと思ってもらうものでなければならないでしょう。
したがって、ブログの読者に関してもターゲットを明確にする必要があります。
これはある意味、ブログそれ自体のテーマよりも重要なことで、すべての人にブログを読んでもらおうとすると、結局誰からの支持も得られずに終わってしまう可能性が高いでしょう。事実、ターゲットが不明確なためにアクセス数の上がらないブログがネット上には無数に存在します。
あなたがもしブログを運営しており、安定したアクセス数と読者からのレスポンスを望んでいるのならば、まずはあなたのブログのコンテンツに興味を示すであろう人々を特定しましょう。その条件に当てはまる人々が興味をもつ情報を提供する必要があるのです。
たとえばあのFacebookは、その黎明期はハーバード大学の学生限定のサービスだったことは有名な話です。その後ターゲットの学生層がどんどん拡大していき、すべての学生が対象となった後、最終的には世界の人々にまで広がってきたのです。
そしてユーザー層が拡大するに従って、彼らのマーケティング戦略も変化をしてきましたし、それに従ってターゲット層へのアプローチもどんどん変わってきました。
即ち、どういったユーザーをメインに据えるかで彼らに提供する情報の分野や質を巧みに変化させたわけです。
それによって、いまやFacebookは世界的企業と誰もが認める存在となりました。この背景には、しっかりとしたターゲットの設定とその人々に対する適切なアプローチがあったのです。
あなたのターゲット層はどこか?
ブログにおけるターゲティングとは、即ち「どういう人々に向けて自分の情報を発信していくのか」ということに尽きるわけですが、たった数十分程度の時間をとって考えてみるだけで、その後のブログの内容がガラリと変わったりすることがほとんどです。
ブログに限らず、メールマガジンやYouTubeなどで動画を配信する場合でもそうですが、ターゲットを明確にしてこそ、実際に配信していく情報も自分のなかで明確になるからです。
インターネットの世界における「コンテンツ」とは、即ちネットユーザーがパソコンを通じて触れる情報の全てといってもよい概念ですが、当然ながら、ネット上には本当に様々な分野の情報が溢れかえっています。
そのカバーする範囲が広いゆえに、情報を受け取ってもらう相手に関して何も考えずに一方的に情報を垂れ流すだけではレスポンスはほとんど期待できないのが実情です。これはブログを運営している人なら知っていることでしょう。今ではほとんどのブログはターゲットの存在を前提として運営されています。
ターゲットを明確に定めることはブログだけでなく、あらゆるネットコンテンツでは必須のプロセスであり、実際のコンテンツの内容を作成するうえでも重要なものです。
特にビジネスブログを運営することで見込み客との間に信頼関係を築き、それによってこちらの提供する商品・サービスを長期的に購入してもらうことを考えるのならば、当然ブログの文章はターゲット層に訴求するものでなければなりません。
ターゲット層の設定こそが、あなたの顧客に直接アプローチするマーケティングでは特に重要な要素なのです。
ターゲットの「軸」を決める
「軸」を決めて効果的にアプローチする
ブログなどのネットコンテンツにおけるターゲットの設定には2つのアプローチが考えられます。即ち「こちらのコンテンツありきでターゲットを設定する」か、あるいは「ターゲット層に合うコンテンツの作成をするか」ということです。
多くのビジネスブログの運営者は、まずこちらの提供したい商品・サービスをもとに、それに興味を示すであろうターゲット層を導き出すアプローチを採ることが多いでしょう。
それに対してこれからビジネスを始める人や、これまでやっていた方法が上手くいかず、新しいターゲットを模索しているような人は、後者の方法を考えるはずです。
いずれにせよ、こういったターゲット設定のプロセスにおいては、まず「全体的なテーマ」を定める必要があり、それに基づいて具体的に提供する情報を取捨選択することが重要となるでしょう。
言い換えれば、何を「軸」にターゲットを選別し、そこに効果的なアプローチを仕掛けていくかということです。
既にこちらの提供する商品・サービスありきでターゲット層を模索するのであれば、当然その商品・サービスを積極的に購入してくれる可能性のある人々を明確化していくという方法が基本となります。
そしてそういった人々は「一言で表現すればどういう人なのか?」について、できるだけ簡潔に説明できるようにしましょう。それがブログの「全体的なテーマ」となり、ターゲットを選別するための「基本軸」となるのです。
これはあらゆるビジネスで基本となるプロセスともいえるでしょう。特にネットメディアの運営における前提となるアプローチであり、あなたのコンテンツビジネス成功のために最低限必要となる要素ともいえるでしょう。
ターゲット層は何を求めているのか?
ブログの全体テーマが決まったら、さらにターゲット層の特徴について掘り下げていきましょう。全体に通底する「テーマ」が決まってしまえば、その分野の商品・サービスもブログ内で自然に言及していくことができるため、読者としても理不尽に売り込まれているという感覚を抱かなくて済むようになります。
具体的には、その分野に興味を持っているターゲット層が、とりわけどういった問題を抱えていて、そのため「どういう情報を欲しているのか」を明らかにするのです。または彼らが「心の底から望んでいる情報は何か?」を考えましょう。
場合によっては、ブログのコメントなどを通じて直接読者に訊いてみてもいいかもしれません。彼ら喉から手が出るほど欲しがっている情報を見つけるのです。
そういった情報をブログ内でどんどん提供することによって、彼らはあなたのブログを優秀な「情報源」とみなすでしょう。
ターゲットの設定と彼らへのアプローチにおいて重要なポイントとなるのは、あくまでも彼ら自身の「問題」や「望み」にフォーカスすることなのです。あなたはそれらをしっかりと抑えたうえで、その解決に寄与する情報を積極的に提供してくれるブログであることをターゲット層にアピールしなければなりません。
そのうえであなたの本当に提供したいものを紹介することで、ターゲットとなる人々は、あなたの紹介する商品・サービスをに深い関心を抱くようになるのです。
何の下地もなしに商品を売り込んでも効果はありません。まずはあなた自身がよき情報提供者であると顧客にみなされる必要があります。
そのための大前提が「ターゲットの選定」と「テーマの設定」なのです。
読者に対して「違い」をはっきりさせる
「付加価値」を明らかにする
では、さらにターゲット層に対して効果的にアプローチするための戦術について、ここではひとつだけ考えてみましょう。ポイントとなるのは、あなたが狙っている読者に対して他者のネットコンテンツとの「違い」をはっきりとアピールするということです。
これは言い換えれば、あなたがターゲットしている人々の「将来」にとって、あなたがどういう存在になるべきかを考えるということです。あなたが彼らの将来において重要な役割を担う存在となるのか、あるいはそうでないのか、その違いをはっきりさせるべきでしょう。
もしあなたが彼らの「よき問題解決者」としての地位を得ることができれば、あなたは長期的に彼らの支持を得ることができるようになります。
あなたがブログ内で提供する情報自体が彼らにとって非常に価値のあるものとなり、そのため彼らは、あなたが提供する商品・サービスを長期的に購入してくれるようにもなるでしょう。
彼らの将来において重要な存在になるというのはそういう意味であり、そのためにはあなたがブログ内で提供する情報は、他者とは違ったものでなければいけません。その「違い」をはっきりとさせるのです。
あなたのブログの読者、つまりあなたがビジネスブログを運営しているならばあなたの見込み客にとって、その違いのコントラストをいかに理解しやすいカタチで示すのかを考えてみましょう。換言すれば、あなたの提供する情報の「付加価値」を明らかにするのです。
ブログは「読者」を中心に回っている
人間は誰であれ、常に自分自身の損得を考えずにはいられない存在です。
ですから、あなたのブログで発信するメッセージは、そのターゲット層の「損得勘定」にフォーカスが絞られるべきであるといえます。彼らの感情を中心にコンテンツが回っているといっても過言ではありません。
無論、露骨にそういった感情を煽るのでは逆効果になってしまう危険もあります。
あくまでも読者の問題解決に寄与する情報を提供するなかで、自然とその感情が喚起されるようなコンテンツの構成にするのです。
難しく聞こえるかもしれませんが、あなたがターゲットとなる読者のニーズについてよく理解しているならば、それを満たす情報を発信し続けるなかで、特に読者が反応する概念や考え、あるいは問題解決手法に気づくはずです。それを前提として、さらに「違い」を演出していくのがよいでしょう。
ただし注意しなくてはならないのが、あなたの提示する「違い」についても、その焦点は読者本人についてでなければならないということです。
たとえば、あなたの提供する手法やノウハウを実践する前後では具体的に何が変わるのか、読者は自信をつけることができるのかどうか、問題解決の確信がもてるのかどうか・・・といったことです。こういった「違い」を読者自身が明確に意識できるように促す必要があるのです。
そして最終的には、あなたのブログ情報なくしては問題が解決できない、あなたの商品・サービスがあれば問題を解決できる、痛みをなくすることができるという状況をつくりあげるのです。
そのためには、日頃からブログで「違い」を伝えることが必要です。あなたの提供する情報を知っているかどうか、あるいは提供する商品・サービスの有無によって、読者に何が生じるのかを明らかにしましょう。そのギャップが大きければ大きいほど、読者はあなたのブログに夢中になることでしょう。
まとめ
これまでブログにおけるターゲットの設定と、情報提供における「違い」を演出することの重要性について述べてきました。
ターゲットを明確化せずに盲目的に情報を提供したところで意味はありません。
「下手な鉄砲」でも数を撃てば当たるなどと言われますが、狙う的すら明らかでなければどんなに数を撃っても当たることはないのです。
あなたがこれからブログを運営しようと考えるのであれば、まずはターゲットを明らかにしましょう。既にブログを運営している人でアクセス数がさっぱり上がらないと悩んでいるのならば、もう一度狙うべきターゲット層について見直してみてください。
たった数十分考えてみるだけで、様々な問題点が浮かんでくるはずです。
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