スモールビジネスを「一人で小資本または全く資本(準備金)がない状態からスタートさせるビジネス」と定義すると、法人でも個人でもスモールビジネスを始めることができることになります。

広義にはフリーランサーが個人でやっているビジネスやいわゆる「ノマド」と呼ばれるビジネススタイルまでもが含まれますし、パソコン一台だけを利用してビジネスを始めるといった人も最近では多くみられます。それだけビジネスを開始する敷居が低くなっているともいえますし、インターネットなど開業を後押しするインフラが整ってきたともいえるのではないでしょうか?

ただし注意しなくてはならないのが、いかなる事業であれ「リスクのない起業など存在しない」ということです。いかなるビジネスであっても、大なり小なりリスクを覚悟で開業しなければなりません。それはスモールビジネスであっても変わりはないのです。

その事実を前提として、今回はスモールビジネスの種類と成功させるためのポイントについてみていきます。

 

スモールビジネスの種類

オフライン事業

レストラン

オフライン事業では、リアル店舗を開いたり自宅を事務所代わりにして小さく始めるビジネスが主流となっています。特に店舗経営などはスモールビジネスの典型ともいえるスタイルでしょう。
これらは本当に様々な職種があり、レストランや雑貨店あるいは美容室などを小資本で開業するケースなど多種多様です。

そういったスモールビジネスの多くは、何らかのかたちで大手企業との差別化をはかっており、市場の一部や一定層に特化したビジネスを展開していますし、あるいは地域に密着したビジネスということでその地方の特性を活かした差別化をしている人が多く存在するようです。

たとえば徹底的にニッチ市場を狙って、一定の趣味をもつ人専用のカフェを展開している人や、大きいサイズの服を専門に提供しているアパレル企業などもあります。
これらは当然市場規模としては比較的小さいわけですが、あくまでも個人レベルから多くても中小企業のレベルで展開するのであれば、十分利益になっているわけです。

 

オンライン事業

パソコン

一方、20世紀の末にインターネットが登場してからは、皆さんもご存知のオンライン事業が急速に増えてきました。特に現在では、起業といえばネット回線を利用したビジネスを思い浮かべる人も多いでしょう。

ネット事業はリアル店舗などの経営に比べて初期コストがかなり安く、場合によってはほとんど元手がかからずにビジネスができるので、たくさんの起業家がオンラインで事業展開を始めるようになりました。

たとえばインターネットの普及によって一気に増加したのが「ホームページ製作業」や「WEBデザイン業」でしょう。今でこそメジャーな職業となったWEB制作業ですが、ネットが普及したての時代は、それこそホームページ制作が1案件だけで数百万円といった相場の頃もありました。

またインターネットを使ったマーケティングが徐々にメジャーになるにつれて、ブログやSNSなどを利用したプロモーションが盛んに行われるようになり、そういったツールを効果的に使うためのノウハウを伝授することを商売にする人もたくさん登場してきました。

現在でもオンライン事業は様々な業種が登場しており、昔ながらのWEB制作業者もフリーランサーなどを中心に増えているといわれています。

しかし黎明期のような単価を維持できるビジネスはほとんどないといわれており、また栄枯盛衰が激しいのがオンラインビジネスの特徴ですので、これまで上手くいったからといって、これから先も永続して利益を出し続けられるとは限らないのです。

 

慎重になるべきスモールビジネスとは?

初期投資やランニングコストが高いビジネス

コスト

これまでオンライン事業、オフライン事業でそれぞれスモールビジネスというスタイルに多いビジネスをみてきましたが、当然敷居の高いものもあれば、ある程度のスキルがあれば今すぐにでも始められるようなものもあります。
ただし、繰り返しますが「リスクなき起業」などあり得ませんので、あなたがどういった分野で起業を志すにせよ、綿密な調査と計画が必要となります。
それに他のビジネス分野と比較して参入に慎重になるべきビジネスというものも存在しますので、特に注意する必要があるでしょう。

代表的なものとして、初期投資やランニングコストがかかりやすいビジネスは、よほど成功の見込みがない限りはなるべく避けたほうがよいかもしれません。

たとえば、たとえスモールビジネスであってもリアル店舗の経営などは非常にランニングコストがかかるので、決して気軽に開業できるものではないのです。
仮に失敗してしまうと、多額の借金を背負ってしまう可能性も高いですし、やり直しが聞きづらい面もありますので注意が必要です。

 

「簡単に儲かる系」ビジネス

ビジネス

また、いわゆる「流行りモノ」ですぐに儲かりそうなビジネスというのも、一歩引いて慎重に検討してみなければなりません。

たとえば「まだやっている人が少ないから儲かる」とか「儲けるには今がチャンス」といった売り文句でビジネスアイデアを売るような商材には注意が必要です。

もしかするとあなたもこういったビジネスをやってみないかと誘われた経験があるかもしれませんが、こういった「簡単に儲かる!」といった類のビジネスには殊更に慎重になるべきでしょう。

なぜならば、こういったビジネスは本業の売り上げが落ちてきて不安になった経営者が手を出しがちなビジネスとして知られており、そのほとんどが失敗に終わっているからです。

こういったビジネスは流行している間は一時的に儲けることができるかもしれませんが、長く続くかどうかは未知数だからです。むしろ、急速に売り上げが伸びるようなビジネスほど衰退が早いものなのです。

それに「誰にでも簡単にできる」と謳っているビジネスほど、初期に始めた人だけが短期的に儲かって終わりというのが実態です。いわゆるネットワークビジネスなどがこの典型といえるでしょう。

少なくとも、スモールビジネスを長期的に続く事業として存続させていきたいのであれば、これらは決してやってはいけないビジネスだといえます。

短期的に儲かるビジネスは、それが廃れてしまうと次の事業を新しく始めなければなりません。そしてそれが短期で衰退するとまた次の事業・・・というふうに、あなたは永久に新しい事業を探し回らなくてはならなくなるのです。

 

「本業」と全くシナジーがない事業

事業

あなたがもし既に何らかの本業を営んでいるならば、その分野と全く何の関係もないビジネスを始めることには、特に慎重にならなければなりません。
特にあなたが全く知らない分野のビジネスに「販路拡大」などという名目で参入するのは控えるべきです。

実は、本当に多くの「成功したスモールビジネス」の経営者が、本来のビジネスとは関係のない分野に無節操に手を出して失敗してしまっています。
あなたも「知らない業界」のビジネスを「儲かりそうだから」といった理由で手を出そうとしている経営者について知っているかもしれません。

これはある意味、最悪のアプローチであり、そういった事業に手を出してしまう経営者の心情はたんに「楽して売れそうだから」とか「単純にかっこいいから」といった本当に単純な理由がほとんどです。

たとえばこれまでオンライン事業をメインにしていた企業が、突然「お洒落な飲食店」などを始めてしまうケースが多くありますが、これらは軒並み失敗に終わってしまいます。

本業とは無関係のビジネスには基本的に手を出してはいけないのです。

また、これはこれからスモールビジネスを開業しようと考えている人にも当て嵌まります。
自らの「強み」を活かせない分野や全く未知の分野で開業することは非常にリスキーであることを知っておかなくてはなりません。

少なくともあなたが会社員として、あるいはフリーランスという立場で「本業」として取り組み蓄積してきた知識や経験、スキルを活かせる分野で開業したほうが圧倒的に上手くいく確率が高くなります。場合によっては、既にお客さんとなってくれそうな人が存在している場合もあるでしょう。

いずれにせよ、ゼロから始める人と同じ土俵に立つ必要はないはずです。あなたの「強み」を存分に活かせる分野でスモールビジネスを展開すべきでしょう。

 

継続した収入がもたらすビジネスを構築する

「需要」と「戦略」が重要

戦略

では、長期的にあなたに収益をもたらしてくれるビジネスというのはどういったものなのでしょうか?

それは「需要が長続きするような分野」のビジネスが「戦略的に構築」されたものであるといえます。

「需要が長続きする分野」とは、世界情勢や経済動向はもちろん、文化的な流行り廃りの影響を受けにくい分野ということです。

そして「戦略的」というのは、しっかりとそのビジネス分野における見込み客のニーズを把握し、それを満たすような商品・サービスを効果的に提供するための計画が練られているということになります。

つまり、重要なのは「儲かりそうなビジネス」をするのではなく、あなたの強みを活かせる分野の顧客が認める価値を長期的に提供することなのです。それによって継続した収入がもたらされるようになります。

たとえば一例ですが、いわゆる「コンサルタント業」というのはその裾野の広さも需要も長続きする分野であるといわれています。

無論、実際に儲けられるのはしっかりとビジネスを構築した優秀なコンサルタントであることは間違いありませんが、「集客」について悩んでいる人の相談に乗って有効な施策を提案するコンサルタントは、今も昔も需要がなくなることはありません。

なぜならば「集客」に悩む経営者やビジネスパーソンがいなくなることは絶対にないからです。販売がうまくいかずに倒産する企業がいつの時代でも多く存在するわけですから、そういった企業の助けとなる分野の需要はなくなりようがないわけです。

そして前項でも述べたことですが、あなたがその市場の顧客のことを知っていればいるほど成功する確率は高くなります。それに基づいて、その顧客に価値あるサービスを提供するための戦略を立てやすくなるからです。

 

「数字」を度外視してはいけない

データ

いかなるスモールビジネスの種類であっても、重要となるのが「販売」と「マーケティング」です。これらは当然、経験とスキルが重視される領域でもありますが、大部分は「数字」で把握できるものでもあります。

よく「経営はアートだ」というような表現もされますが、長期的な利益を裏付けるものは数字です。少なくとも経営の基盤ともいえる販売やマーケティングの効果についてはしっかりと数字で効果のほどを確認しなければなりません。

それに基づいて長期的に利益をもたらすであろうビジネスモデルを構築していくことが肝要ですから、多かれ少なかれ起業家は数字とは無縁ではいられないのです。むしろ数字で判断しなければ、ビジネスに関するほとんどの事柄で正しい判断ができなくなってしまうでしょう。

いわば「データ」こそが、顧客のニーズを把握するための最も有効なツールなのです。
たとえば数字に基づいて適切に計画された広告は、スモールビジネスにとって生命線となるのは間違いありません。

あなたがスモールビジネスを立ち上げる際には、必ず数字で実態を把握できるようにしておきましょう。これはどんなビジネスであっても必須事項であり、例外はないのです。

 

まとめ

これまでスモールビジネスの種類と特徴をいくつか挙げ、また慎重を期すべきビジネス分野について取り上げてきました。
特に本記事で注意を要すると述べたビジネスに関しては、生半可な知識で手を出さないほうがよいでしょう。

あなたにはこれまで培ってきた技術や経験を活かせる分野があるはずです。そういった「強み」を活かせる分野からビジネスをスタートさせる方が、成功する確率は圧倒的に高いのです。

しかし冒頭でも述べたように、いかなるビジネスであってもリスクはつきものです。本当の意味で「リスクゼロ」でビジネスを始められることなどほとんどありませんので、ほんの少しでも不確定な要素があるのが我慢できないという人は、むしろ起業自体を見合わせた方がよいかもしれません。

ただしリスクは必ず存在するといっても、成功する人はリスクを可能な限り低くして起業をしているのです。そこを履き違えてはいけません。
リスクは恐れるものではなく、うまくコントロールをしなければなりません。

そのためにはまずは準備が大切であり、自らが参入するビジネスについて事前に綿密な調査が必要とされるのです。

 


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新卒で入った会社をわずか1週間で辞め、個人事業主として生きています。メディア運営の知識やノウハウを最大限発信していきます。

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