かつてメディアといえば新聞やテレビなどの大手マスコミ企業のことを思い浮かべる人がほとんどでした。そして多くの企業が彼らの力を借りることで自社製品のプロモーションに躍起になっていたものです。

しかし「ネット社会」となった現在、私たちが考えるメディアとはインターネット上で展開される様々な媒体のことを指すようになってきました。いわゆる「オンライン・メディア」です。今ではほとんどの企業がネットなしでは商品・サービスのマーケティングが成り立たないことを知っており、それは中小零才企業や個人事業でも同じことでしょう。

今回はそんなオンライン・メディアをこれから立ち上げようと考えている人のために、まずは知っておいて欲しいこと、考えるべきことを紹介します。

 

オンライン・メディアの本質

オンラインでは「メディア=コンテンツ」

パソコン

私たちがオンラインで「メディア」と聞いて思い浮かべるものといえば、たとえばブログやツイッター、フェイスブックなど、一部画像や動画も挿入できるものの原則として文字がメインとなっているものや、ユーチューブや他の動作サイトなどのような動画がメインになっているものがあるでしょう。場合によってはインスタグラムなどの画像中心というものもあります。

こういった各種オンライン・メディアは、現在では企業が事業主が見込み客に直接働きかけるための願ってもない機会を与えてくれることを、多くのビジネスパーソンや事業主はよく知っていることでしょう。

それはこれまで考えられなかったことであり、従来のダイレクトメールやチラシ、あるいはブラウザ上にしつこく表示されるバナー広告などの手法で顧客にアプローチする方法を使うときとは比べ物にならないほど、こちらのビジネスを周囲に認知してもらえる媒体を得られたということです。

こういったオンラインメディアのほとんどは、別の言い方で表現されることがあります。
即ち「(オンライン)コンテンツ」です。

 

「コンテンツ」の定義とは?

コンテンツ

「コンテンツ」とはWEBサイトやブログ、あるいは動画などネット上に存在する情報提供媒体すべてを指すといっても過言ではない概念であり、基本的に視聴者や読み手がパソコンとネット環境を通じて触れることのできるもの「すべて」を包括するものと考えて差し支えないでしょう。

つまり、オンライン・メディアの本質は「コンテンツの良否」であり、それこそがメディア全体の成否を左右しているといっても過言ではありません。

私たちが優れたコンテンツを制作・育成していくことができれば、視聴者やお客さん同士がネット上の様々な場所で共有し、あなたに代わってメッセージを広めてくれさえするのです。むしろ、そういった視聴者の情報共有こそが、オンラインメディアの強みでしょう。

逆に、人々が興味を持てないコンテンツをひたすら発信し続けたところで、当然アクセス数などが増えることはないでしょうし、あなたがビジネスの一環としてオンライン・メディアを運営しているのならば、見込み客である視聴者から共感を得られることはないでしょう。

盲目的にコンテンツを開発し、それをアップし続けているだけでは、メディアとして成功させることは不可能なのです。

 

人々の注意を惹くコンテンツといえるか?

記事

視聴者が良質なコンテンツを求めていることは確かですが、その人々の耳目を集めるための工夫も当然必要になります。

あなたがビジネスとしてオンライン・メディアを立ち上げるつもりならば、そのコンテンツが人々の注目を掴み取れるように尽力しなければなりません。そしてビジネス上の利益をもたらしてくれるまで大事に育て上げる必要があるのです。これは人によっては大変な作業と感じられるかもしれません。

確かにオンライン・メディアをビジネスの片腕として機能するように育てるまでは大変な労力が必要となるはずです。
しかし一度(ひとたび)見込み客たる視聴者に効果的なアピールをすることができれば、彼らはその後もあなたのコンテンツを継続的に追いかけてくれるようになるはずです。

「お客を育てる」ということが商売の世界ではよく言われますが、ネット・メディアの場合は、まず視聴者を見込み客へと育て上げることが肝要であり、それによって長期的にこちらの商品・サービスを購入してくれる「お得意様」になってもらう必要があるのです。

 

情報過多のネット社会

価値ある情報の提供は難しくなりつつある

記事

インターネットをほとんどの国民が利用するようになった昨今、ネットが提供する情報は右肩上がりに増え続けています。
そんななか、人々の興味を惹く情報や人々が価値を見出すような情報を提供することは非常に難しくなっているのが現状でしょう。たいていの情報はGoogleなどで検索すればすぐに手に入れられるからです。

しかし、だからこそ人々はネットで情報を集めることに夢中になり、立ち上げたばかりのオンライン・メディアにさえも訪問する機会が訪れるわけです。

今の時代のメディアは、人々がすぐに利用できる価値ある情報を提供することが成功の秘訣であると、多くのネット事業者が気づいています。そして一定数のメディアを支持するユーザーを抱えることが長期的な利益に繋がることが広く認知され始めているのです。

 

魅力的なコンテンツを提供する

タブレットと男性

自社のオンライン・メディアの支持者基盤を確立し、彼らにこちらの提供するコンテンツの価値を認識してもらうことができれば、彼ら自身が強力なプロモーション媒体として機能してくれるようになります。いつの時代も、自分の近しい人からの紹介や推薦こそが、最強のプロモーションツールであることに変わりはないのです。

現在では多くのネットコンテンツをマーケティングに活用している企業がありますが、どの企業も「見込み客を惹きつけるコンテンツの制作」と「継続して情報を提供できるだけの十分な量のコンテンツを作ること」の2つが大きな課題となっているようです。

たとえオフラインで人々の認知を得ることに成功している企業であったとしても、オンラインで同じぐらいの認知度やブランディングを維持することが難しくなっていることは、多くの企業マーケターが実感していることでしょう。

それでは、多くの支持者を獲得できる魅力的なコンテンツとはどういうものなのでしょうか?そしてどうすればそれを継続的に視聴者に提供することができるのでしょうか?

 

顧客の興味ある情報を提供する

「基本」に忠実になろう

マーケティング

そこで重要となるのが、まず「視聴者が興味のある情報を提供する」ということです。
ごく当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、この基本ができていないために、日々視聴者にとって「どうでもいい」情報を発信し続けてしまっているオンライン・メディアが後を絶ちません。

なぜかといえば、彼らは「自分達の商品・サービスの良さを伝える」という行為に邁進してしまっているからです。あるいはビジネス目的でなくても「自分が価値あると確信している情報の提供」に躍起になってしまっています。

もしこのことに違和感を感じないのであれば、根本的なところから認識を改めなければならないでしょう。あなたにとって見込み客となる視聴者は、あなたが受け取ってほしい情報を求めているのではなく、あくまでも自分たちが興味のある情報が欲しいのです。

ですから、これからオンライン・メディアの構築を考えている人は、自分がリーチしたい相手が「どんな情報を求め、何に興味を惹かれるのか」について徹底したリサーチをする必要があります。

当然、あくまでも趣味でメディアの運営をするというのであれば、あなたは自分の好きなコンテンツを制作し、日々提供し続けても何も問題はないでしょう。もしかすると同じ趣味をもつ人がアクセスしてくれるかもしれません。オンライン・メディアの実情をいえば、そういったコンテンツを提供している人の方が圧倒的に多いのです。

 

昔の名残を捨てよ

パソコン

しかし、あなたが明確なビジネス上の目的をもってメディアを運営したいと思っているならば、顧客に対するリサーチは必要不可欠です。それによってターゲットとして狙っている視聴者層の目を惹くコンテンツを提供する必要があります。逆に、ろくにリサーチせずに一方的な情報を提供しているメディアは視聴者に見向きされることなく、広大なネットの海に沈んでいってしまうのです。

繰り返しますが、これはマーケティングの世界では当たり前のことです。
しかしネットで情報提供することが珍しかった時代の名残もあってか、顧客のことをほとんど調べずに一方的な情報を垂れ流してしまうメディアが後を絶ちません。

確かにインターネットの黎明期には、ネットで情報を提供しているというだけでアクセス数を伸ばすことができる時代がありました。しかし当然ながら、現在はそういうわけにはいかないことは、多くのコンテンツ提供者が理解していることでしょう。

ですから、あなたも昔の名残を完全に捨て、真剣に見込み客となる視聴者のリサーチをすべきなのです。それがオンライン・メディアを成功させるための第一歩です。

 

「ビッグアイデア」を提示しよう

あなたの「ビッグアイデア」は何か?

ネクタイ

前項で「見込み客の求めている情報を知る」ことを挙げましたが、それによってあなたは「なぜその情報を彼らが求めているのか」を分析する必要があります。
あなたのメディアを訪れる人々はどういう人たちで、彼らに何を教え、どういう情報を提供するべきかを絞り込むことは非常に重要なプロセスです。

あなたの提供する情報は、どうして視聴者や読者にとって重要となるのでしょうか?彼らはどうしてあなたのコンテンツに目を留める必要がありますか?
こういった問いに対して、あなたは明確に答えられなければなりません。

その問いを突き詰めた先に、あなただけの「ビッグアイデア」が存在します。

あなたが日々提供し続ける情報の根底に流れ続けるビッグアイデアは、あなたが対象としている視聴者が求めて止まない情報の前提となる「価値観」の触れるものだといえます。
その価値観を前提とした情報を提供し続けるということが、視聴者からの信頼を得るための最も強力な武器となるのです。

特にオンライン・メディアの傾向として、同じような価値観、考え方をもつ人々が視聴者として集まりやすいというのは数々の統計からも明らかになっていますし、心理学的にも証明されているものです。「同じ穴の狢」という諺は決してよい意味で使われるものではありませんが、事実として、同じような考え方をする人々が彼らの価値観に沿った情報提供者の下に集まることはよく知られています。

あなたは、そういった人々に共通した価値を前提とした情報を提供し続けることにより、彼らから絶大な信頼を集めることができるようになるでしょう。
情報の「核」となるメッセージがぶれない限り、あなたのメディアに集まってくる視聴者は、あなたの提供する情報を信頼でき、説得力のあるものとみなしてくれるはずです。

 

長期的なコンテンツの配信にも有効

WordPress

ビッグアイデアを導き出すことは、あなたが長期的にオンライン・メディアを運営し続けるためにも重要なプロセスです。
なぜならば、視聴者に提供する「核」となる価値観やメッセージがあれば、それを根底として様々な情報を組み合わせて提供することが可能になるからです。

つまり、基本となる価値観の上で様々な情報を組み合わせたり、加工したりできるようになるということです。これによってそれぞれのコンテンツ同士が連携し合って、視聴者に新しい視点や考え方のきっかけを与えることができるようにもなります。

たとえば一例として、あなたは来日する外国人に向けて、国内の観光名所を紹介するサイトに登録してもらいたいと思っているとしましょう。
そのためのビッグアイデアは、メジャーな旅行サイトには乗っていない穴場情報に関するものかもしれません。

そこで穴場となる観光地を見極めるためのヒントを提示したり、メジャーなサイトに蔓延っている嘘情報を見極めるための方法についてレポートをプレゼントしたり、それらを限定メールマガジンで配信したりすることができるようになります。

メディアの核となるビッグアイデアがあれば、それに関連する様々な情報を自在に組み合わせてコンテンツ化していくことができます。これは日々情報提供しなければならないオンライン・メディアを運営するうえで、非常に強力な武器となるでしょう。

ビッグアイデアこそが、あなたのメディアを成功させる鍵なのです。

 

まとめ

あなたがこれからオンライン・メディアを立ち上げたいと考えているならば、本記事で述べたような優れた「ビッグアイデア」を考え出してください。
そのためには、まずあなたの想定する視聴者が求めている情報について詳細に知っておく必要があります。

多くのオンライン・メディアではこれらのいずれか、あるいはどちらも全く考慮せずにコンテンツを制作し、発信してしまっています。その結果、ほとんど効果を挙げられずにメディアの展開自体をやめてしまう事業主も少なくないのです。

「自分のお客さんについて知る」―――これは商売では基本中の基本ともいえることであり、長期的にメディアを運営していくためには常にお客さんである視聴者についてリサーチし続けなければなりません。それによって、常にあなたがお客にとってのよき除法提供者であると認知させ続ける必要があるのです。

そしてそういった人々にあなたのビッグアイデアの価値を認めてもらいましょう。これはお客さんにあなたのファンになってもらうことでもあります。

それによって、あなたのメディアから提供されるコンテンツは、あなたの想像よりも大きな広がりを見せることになるでしょう。それはお客さん自身がよきプロモーターとなってくれるからであり、これこそが最強のマーケティング手法といっても過言ではないのです。

 


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新卒で入った会社をわずか1週間で辞め、個人事業主として生きています。メディア運営の知識やノウハウを最大限発信していきます。

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