パフォーマンスの高い仕事をし続けるためには、集中力を維持することが重要だといわれます。高い集中力を発揮できる人は高い仕事の成績もよくなるのは必然でしょうし、効率的に仕事ができるのでプライベートタイムもしっかりと確保できるようになるでしょう。

しかし現実には、沢山のビジネスパーソンが間違った考え方のもとで集中力を発揮できずにいるのが現状ではないでしょうか?

事実、我が国では連日残業をしているにも拘らず、思うように仕事の成績が上がらないと悩んでいる人が数多く存在します。

その原因こそが「意志の力を浪費してしまっている」ことであるといったら、たいていの人は驚かれると思います。何をいっているのかわからないという人もいるかもしれません。

本記事では、この意志力に関する誤解こそが高い集中力の維持を困難にしているという事実を説明しつつ、自分にとって重要な仕事に高い集中力を発揮するための施策について考えます。

 

集中力と意志の力

集中力は意志の力に依存する

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ビジネスシーンにおいて、高い集中力を発揮して上質なパフォーマンスをあげることは多くのビジネスマンにとって必須ともいえる技術でしょう。

事実、巷には「集中力」を維持するための方法に関する本が溢れていますし、高い集中力を維持するための秘訣を伝授するセミナーも数多くあります。

特に多いのが、集中力を維持するために意志の力を磨くことを推奨するものです。意志の力が強ければ継続的に仕事に集中することができ、その結果、高い報酬をもたらすことができるというのが、多くの集中力に関する書籍やセミナーの意図するところでしょう。

そういう考え方のもと、意志の力を強靭にして目標を達成するための方法を考えたり、効率的に仕事をしていくためのノウハウを伝授していくわけです。

確かに高い集中力を維持するためには意志の力が重要となります。意志力と集中力は表裏一体の関係であるといってもよく、意志の力をうまくコントロールすることが集中力を維持するためには必須事項であることは疑いようがありません。意志の力で様々な誘惑に打ち勝って、自分の目標達成のために集中して仕事をすることは重要なことです。

 

意志力に関する誤解

しかしその一方で、この「意志力」はその本質があまり理解されていないことも確かなのです。

たとえば巷には「意志の力さえつければいかなる局面も乗り越えられる」という考え方が溢れており、どんな困難な状況であっても意志の力で解決できると思われる傾向があります。有り体に言えば根性論的に意志の力を捉えてしまっているわけです。

筆者はこれを「意志力万能主義」と呼んでいますが、残念ながらこれは間違ったアプローチなのです。無論、意志の力で難局を乗り越えること自体を否定しているわけではありません。問題なのは、意志力さえあれば問題ないと他の要素を軽視してしまっていることです。

特に高い集中力を維持するということにおいて、意志の力に頼りすぎることは様々な弊害をもたらしてしまうことがわかっているのです。

 

意志の力には限界がある!?

意志が強い人ほど脆いのか

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たとえば全米でベストセラー書として名高い『スタンフォードの自分を変える教室(原題:The Willpower Instinct)』のなかで、著者のケリー・マクゴニガルは「意志の力はすぐに限界が訪れる」という主旨のことを述べています。

意志の力は決して無限ではなく、私たちが思っている以上にすぐに枯渇してしまうものであり、意志力が強いと思い込んでいる人ほどすぐに自制心を失ってしまうと彼女は同著内で力説しているのです。

たとえば過度に禁煙を続けた人は、その「揺り戻し」によって過剰に糖分を摂取してしまうことがわかっていますし、意志力の許容量を超えて禁酒を続けた人は、持久力が極端に落ちてしまうことが実験によって明らかになっているのです。

 

意志の力の限界

つまり意志の力が枯渇したまま無理を続けることによって、私たちは全く予期しない面で新たな問題を抱え込んでしまうことになるわけです。これこそが意志力万能主義の弊害といえます。意志の力はうまく使わなければ、より悪い結果をもたらしてしまう可能性があるのです。

意志力を強くすることで高い集中力を手に入れようと考える人にとって、これは非常に重要な意味をもつでしょう。

意志の力に限界があるということは、それを使って集中力を維持することにも限界があると考えるべきです。既に述べたように意志の力と集中力は表裏一体の関係です。高い集中力を維持するには意志の力を借りなければなりません。しかし意志力を向こう見ずに浪費してしまった結果、肝心の場面で集中力を発揮できないという人が後を絶たないのが現状なのです。

 

重要なのは、意志の力をいかに効率的に使うかということ

意志力に関する戦略的運用のススメ

そこで重要になるのが、いかに意志力を効率的に使って重要な場面で高い集中力を発揮するかということです。

高い集中力を維持するというのは、心と身体の両面において考えるべきトピックであり、決して努力や根性といった昔ながらの考え方だけで問題が解決するような話ではありませんし、まして「意志が弱い」ということが能力的に劣っているという結論には決してなりません。

意志の力を考えるうえでは、様々な分野の科学的根拠を軸としながら、慎重かつ「戦略的」に問題を解決していく姿勢が求められるのです。

 

自らの「パターン」を知ろう

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そこでお勧めなのが、自らの意志力や自制心の「パターン」を知ることによって、それにしたがった生活のパターンや仕事のやり方を考え出すことです。つまり自分の意思が弱くなる時間帯を知ることで、様々な誘惑から自らを守ろうというわけです。

まずはあなたが最も集中力を発揮できる時間帯や、それを高いレベルで維持できる期間はどれぐらいか一度自分なりに調べてみましょう。

正解は人によって違うはずですが、たいていは朝から昼の間の数時間が最も集中力を高めやすい時間帯になることが多い筈です。なぜならば、意志力が最も充実しているのは朝方だからです。

そして今度は逆に、あなたが様々な誘惑に負けてしまいやすくなる時間帯について調べましょう。自分自身の心の動きをモニタリングするのです。仕事中に何度も席を立ちたくなる時間帯はいつでしょうか?ついネットサーフィンをしてしまうのはいつですか? 

そういった時間帯には、既にあなたの意志の力は枯渇してしまっていると考えましょう。無理に作業を続けることも可能ですが、それまでの集中力を維持することはでないでしょう。集中力の源泉を使い果たしてしまっているのですから。

無論、ビジネスシーンでは無理に作業を続けなければならないこともあるでしょう。しかし重要なのは自らの意志力が枯渇した状態で高い集中を維持することは不可能だという事実を知ることです。そして意志の力をフル活用できる時間帯に、あなたにとって重要な仕事をするようにスケジューリングをすることなのです。

それ以外の時間帯には、なるべく意志の力を必要としない作業や重要度の低い仕事を割り振ることをお勧めします。あなたのキャリアにとって重要な事柄を集中力の発揮できない時間帯にもってきてはいけません。

 

休憩は必須事項である。疎かにしてはいけない

盲目的に作業を続けるのはやめよう

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そして適度に休憩を入れることが必要です。ありきたりに聞こえるかもしれませんが、これを疎かにして、ついだらだらと作業を続けてしまう人が沢山います。

休憩は「必須事項」です。ある程度集中力を発揮したら、必ず然るべきタイミングで休憩を入れるようにしましょう。それが長い目でみれば高いパフォーマンスをもたらします。

逆に休憩をとらずに作業を続けていると、意志の力はすぐに枯渇してしまい、集中力を維持することができなくなります。

意志力の枯渇による集中力の欠如は「根性論」ではどうにもなりません。うまくマネジメントをしていかなければならない分野なのです。そのためには適度な休憩を必ずとらなければなりません。これは科学的に証明されていることです。

人によっては「私は集中力の続かない駄目な人間だ」と自分を卑下してしまうこともありますが、それは違います。それはあなたの意志の力が弱いのではなく、集中力を維持するための戦略が間違っているのです。

 

おススメの時間活用術

お勧めは大学の講義のように90分の集中作業の後に、10分から15分の休憩をとることです。または60分の集中時間を2回繰り返した後に30分程度の休憩を挟むようにします。

特に後者は筆者が実地に試した集中力の維持方法であり、高い効果があると自信をもってお勧めできます。60分の後に5分程度の小休止を入れるとさらに効果が高まります。即ち「1時間の集中作業+5分の休憩」を2回繰り返し、その後に30分程度の休憩を入れるわけです。そのサイクルを意志力が「なくなった」と感じるまで繰り返します。

これによって、大切な意志の力を浪費せずに長い時間集中力を発揮することができるようになります。特に午前中の仕事始めから実践することが重要であり、その時間帯に自分にとって重要な仕事をするわけです。これを習慣化することで、仕事のパフォーマンスを一気に高めることができるようになります。

 

まとめ

高い集中力を維持するには、自らの意志力を十分に発揮できる環境を自分なりに整えることが重要です。闇雲に作業を続けていれば集中できるようになるというのは間違いです。

特に自分にとって重要な事柄や仕事は、邪魔の入りにくい午前中に行うことを推奨します。当然、あなたが高い集中力を発揮できる時間が別にあるならば、その時間帯にじっくりと仕事ができる環境を整えるというアプローチでもいいでしょう。いずれにしても、意志の力を上手く使って戦略的に集中力を維持するということが重要なのです。

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