近年はインターネット上に様々な分野の記事を掲載するサイトが無数に存在し、実際に記事を執筆するライターの需要もどんどん増えているといっていいでしょう。

しかし多くのライターにとって、読者にわかりやすいと思ってもらえる記事を書くことは思った以上に難しく、何年もモノ書きとして活躍しているプロであっても、それに変わりはないようです。

特に、ネット上にアップされる記事のクオリティが低さが問題にもなっており、そのためライター業を生業としていつ人は、より一層のスキルアップを要求されるようになっているのではないでしょうか?

そこで今回はそういったライターさん向けに、わかりやすく趣旨の伝わりやすい記事を書くための書き方の秘訣を3つほど紹介したいと思います。

 

秘訣1:ストーリーを重視する

読者は「見返り」を求めている

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私たちが記事を執筆するとき、たいていはどんな分野でもまず冒頭の導入文から書き始めるはずです。一般的に記事の導入部においては、私たちが普段抱えている問題や既に知っている情報あるいは社会状況などを要約することによって、その記事が全体としてどういう分野の話題を扱っているのかを説明するのが普通でしょう。

また、記事で最終的にどういう結論を出しているのかということについての示唆を与えるのも導入部の重要な役割です。それによって読者が事前にどういう内容が書かれているのか把握しやすくなり、わかりやすく読みやすい記事となるのです。

そもそも読み手が記事を何の目的もなく読むということはありません。読者は必ず「何かの見返りを期待して記事を読む」はずです。記事の導入部では、その見返りについて読み手が把握できるようにしておかなければならないでしょう。

その見返りが記事の冒頭で提示された疑問点が解消されることによって手に入ることを、執筆者は読者に理解させる必要があるのではないでしょうか?

難しく聞こえるかもしれませんが、決してそんなことはありません。冒頭では本文中で解消される疑問点を明らかにすればよいのですから、小難しい知識を並べたりする必要はなく、率直に簡潔な文章で問題点を指摘すればよいのです。

「書き方」について試行錯誤をするのも大事ですが、まずは率直で簡潔な文章を心がけるようにしましょう。

 

読者に「集中」してもらうために

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さらにそういった簡素な文章に加えて、さらに読み手を惹き付ける文章を心がけることがわかりやすい記事を書く上で非常に重要なポイントとなるでしょう。
なぜならば、読者たちは普段目にする小説などの物語を読むような感覚で、ネット上の記事を読んだりはしないからです。

たとえ簡潔な文章で書かれていても、肝心の読者が興味を示さないものならば意味がないでしょう。仮に暇潰しに読んでもらえたとしても、到底内容を理解してもらえたとはいえないはずです。

記事を読む前の読者の頭の中は、いわば基本的に様々な出来事や記憶が散乱している状態といっても過言ではありません。悩み事で頭の中が一杯の状態かもしれません。記事に触れる前の読者の多くは、そのような様々な雑念に囚われていることが多いのです。

ネットで何となく目に付いた記事を読んでみたけれど、後から思い出そうとしてもほとんど記憶にないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
それは頭のなかで他のことを考えているなど、その記事に本当に集中しきれていなかったからです。

ましてその記事がいつも自分が興味を惹かれるものかどうかが判然としない場合、こうした雑念を追い払って文章に集中することは、読み手にとってもかなりの苦痛となってしまうでしょう。

 

冒頭はストーリー形式がよい?

Story

そんな状態を避けながら読者の心を掴むための方法として、冒頭を「ストーリー形式」にするのがお勧めです。

特に導入部では主題に関するエピソードなどをストーリー形式で紹介することによって、読者にその記事で扱っている内容に対する興味を喚起することができます。

何らかの問題となる状況があり、それが解決できずに悩んでいる人々に関するエピソードなどがよく記事の冒頭で取り上げられることがありますが、それによって彼らはその先どうなるのかについて読者の頭を集中させることができるようになるのです。

そうすることで、読者は本文中でその状況が解消されることを期待するようになり、実際にそれが記事内で解消されることによって、読み手はその記事が自分にとっても役に立つものだったと感じます。彼らは導入部の巧みなストーリー展開によって、いつの間にか記事に集中してしまっていたことに気づくでしょう。

このように、読み手の頭の中にあった雑念を追い払い、記事で伝えようとしているに集中しやすくする仕掛けを読み手に提供する必要があるのです。その代表例が簡潔なストーリーというわけです。

ストーリーの構成自体は、人気のある書籍やネットの記事などを参考にしてみるとよいでしょう。自分の気に入っている文章をもう一度見直してみてもよいかもしれません。
きっとあなたが惹き込まれるきっかけとなった面白いストーリーが書かれているはずです。

 

秘訣2:「論理」の流れに従って書く

論理的であるということ

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冒頭では読み手を惹き付けるために「ストーリー」という手法を用いる方法を紹介しました。これによって読み手は記事に惹き込まれ、頭のリソースを記事内の情報を理解することに集中させるようになります。

しかし当然ながら、全編をこのようなストーリーだけのものにしてしまうと、記事というよりは短編小説のような印象になってしまうでしょう。また、たとえ読者の頭が記事の内容を理解することに向けられるようになったとしても、実際の文章が支離滅裂で何を伝えようとしているのか分からなければ意味がありません。

ですから記事の本編では「内容が論理的であること」が求められます。
わかりやすく読み手に理解されやすい記事は総じて論理的に書かれており、主題に関する様々なメッセージ同士の関係が正確に理解しやすいように表現されているものです。

文章同士を正しく構成することができれば、どんな読者にもこちらの伝えたいことを正しく伝えることができますし、記事の主題を説得力のあるメッセージとして伝えることができるようになるでしょう。

では論理的で正しい文章の構成とは具体的にどういうものでしょうか?

それは、実際に人間が物事を頭の中で考えるプロセス通りに文章同士が構成されていることをいいます。元来「論理的」というのはそのような構成のことをいい、この原則に従って書かれた記事というのは非常にわかりやすく、読者からの共感を得やすくなるのです。

もともと「論理(ロジック)」というのは、私たちの周囲にある複雑な出来事を整理して考え、多くの人にとってわかりやすく説明することで、相手を納得させるための技術です。
その方法の代表例として「演繹法」と「帰納法」があり、私たち自身も意識的にせよ無意識にせよ、これらの方法で物事を体系的に捉えているのです。

 

演繹法の基礎と記事構成

演繹法とは、私たちが前提としてもっている常識や共通認識を個別の事実や出来事に当て嵌めることで結論を出す方法です。
つまり私たちに共通する「前提」をもとに一本のロジックを示し、最後に「ゆえに~となる」というふうに結論を導き出すやり方といえるでしょう。

具体的には「大前提(私たちの共通認識)」→「事実・個別の事象」→「結論」という流れになります。
「人間は死ぬ(大前提)」→「ソクラテスは人間だ(事実)」→「ゆえにソクラテスは死ぬ(結論)」という有名な演繹法の例を知っている人も多いのではないでしょうか?

実際に記事の論理構成としてこのような演繹法を取り入れる場合は、まず記事に通底する前提となる考え方や価値観が存在し、それを問題にしたい個別の事象や出来事に当て嵌めることで、その記事特有の結論を導き出すという構成になると思います。

たとえば「たいていのビジネスは成長期や成熟期を通じて徐々に衰退を迎える」ということは、私たちの多くが知っていることでしょう。

そして記事で取り上げた実際の企業が「成熟期であるにもかかわらず売り上げが落ちている」とすると、導き出される結論の一例として「ゆえに、その事業が完全に衰退する前に、新しい事業を育てる必要がある」と結ぶことが考えられるはずです。

こういった演繹的手法で記事を書くことによって読み手に趣旨を分かりやすく伝えることができますし、記事全体の構成がしっかりしているため誤解を与えてしまうリスクも減らせるようになるのです。

 

帰納法の基礎と記事構成

では次に帰納法についてはどうでしょうか?
帰納法とは、似たような種類の事実データ、あるいは考えのまとまりを集めて、そのグループ内の共通点や類似性を結論をして導き出すものといえます。

演繹法においては「大前提」→「事実」→「結論」というふうに、それぞれの要素が一本の糸のように互いに繋がっており、相互に導き出されるような関係を持ちますが、帰納法は結論として共通項が導き出されるまではそれぞれ別個の要素を集めてくるものですから、そういった相互関係が希薄です。

たとえば、D県で「Cさんという女性が殺された」という事件が発生したとして、同じ月に「Aさんという女性が殺された」という事件と「Bさんという女性が殺された」という事件もあったとすれば、私たちはこれらの事実から「今月D県に住む女性は外出時、特に警戒しなければならない」という結論を導き出すかもしれません。

しかしAさんの事件ひとつだけでは、D県に住む女性全体が危険に晒されているという結論を導き出すことは難しいでしょう。
このように帰納法におけるそれぞれの構成要素は、結論が出るまでその関係性がわからないことが多いのです。

ですから実際に帰納的な論法で記事を構成する場合は、それぞれの要素をどういった理由で選び、どのような共通項を導き出したのかについて、記事内でしっかりと説明する必要があります。たいていは導き出した類似性や共通点が記事の主題となるはずです。

あなたは根拠となる要素の数にも配慮しなくてはなりませんし、導き出した類似性が妥当なものであるかどうか、しっかりと検証もしなくてはならないでしょう。
しかしそういった課題を乗り越えることで、帰納的論法で導き出された結論は多くの人に説得力のある主張として受け入れてもらいやすくなるのです。

 

秘訣3:抽象と具体を使い分ける

抽象的表現と具体的表現

Thinking

わかりやすい記事を書くための3つ目の秘訣として、記事内で「抽象的表現」と「具体的表現」を使い分けるということを簡単に説明したいと思います。

抽象的表現とは、物事を概念化したり帰納法のように幾つかの要素をグルーピングして特定の性質や共通性を引き出した表現のことです。具体的表現とは特定の事実や事象をありのままに表現することといえるでしょう。

たとえば「AさんはBさんに甘い」という表現は抽象的な表現ですが、一方「Aさんは昨日Bさんが取引先への報告を怠ったことを咎めなかった」というのは具体的表現となるでしょう。それぞれの個別的な出来事をまとめた表現が抽象的表現であり、その一つひとつに対して詳しく言及することが具体的表現だといってもいいかもしれません。

双方の表現をバランスよく組み合わせることによって、読者は記事内で重要な情報とそうでないものを見極めることができるようになります。わかりやすい記事を構成するうえでは、こういった表現の選択にも気を回す必要があるのです。

 

抽象表現は多用しない方が◎

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とりわけ抽象的な表現は、記事の執筆者が独自に導き出した結論を提示するものだったり、結論の信憑性を高めるためにそれぞれのデータを一般化したりするものだったりしますから、あまり多用してしまうと論点がぼやけてしまう危険がありますし、文章自体が難解になってしまう可能性もあります。

哲学書などはその典型例で、そういった書物は抽象的で難解な用語を多用することで読み手に自ら考えてもらったり、様々な解釈をしてもらう役割をもたせているわけですが、わかりやすさが求められる記事では、当然ながら敬遠されます。

一般的な記事における抽象的表現とは、あくまでも具体的な出来事や事象をまとめる役割だったり、読者に最終的なメッセージを伝えるためのものですから、目的もなくそういった表現だけを使い続けるのは控え、適度に個別データや数字などを交えながらバランスのよい文章を心がけましょう。

 

まとめ

わかりやすい記事の書き方の秘訣として「ストーリーを重視する」「『論理』の流れに従って書く」「抽象と具体を使い分ける」の3つを挙げました。

冒頭ではストーリー形式を用いて読者を惹き込み、本文中は抽象的表現と具体的表現を使い分けながら論理的な文章を心がける。これは実際にやってみるとなかなか難しいことがわかるはずです。一朝一夕で身に着けることができるものでもありません。

しかし論理的でわかりやすい記事を執筆するには、常にこういったことを意識しながらコツコツと文章技術を磨いていくほかありません。ですから、あなたも日頃から沢山の文章を書いてスキルアップを目指しましょう。

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