「仕事ができない」というのは、一般的にはその企業や組織で求められている最低限度の成果すら挙げることができないという状態のことでしょう。

もしあなたがそういう状態に陥っているのならば、早急に手を打ちたいと思っているかもしれません。実際に、同僚や上司から白い目で見られながら仕事をしなければならないというのは、あなたの仕事のパフォーマンスを益々低下させてしまうのです。

しかしあなたがどれほど「仕事下手」を自覚していようと、あるいはその事実を認めたくないと思っているにせよ、あらゆる物事には原因が存在します。

もしあなたが企業に属していて、上司や同僚から「仕事ができない」と思われているのならば、その原因を突き止めることが先決です。そして、以下に述べる3つのポイントについて検討してみることをおススメします。

 

「ボトルネック」を知る

あなたの仕事の「ボトルネック」は何か?

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あなたの仕事を遅らせているものは何でしょうか?

人によって幾つか理由があるかもしれませんが、重要なのはそのうち「最大の障害」となっているもの、即ち「ボトルネック」を突き止めることです。

ボトルネックを突き止めることで、あなたの生産性は大幅に改善するでしょう。これは人生全般にもいえることであり、行動の「障害」となっているものをあぶり出し、それを取り除くことで全体的なパフォーマンスが大きく向上するのです。

たとえば自動車は時速60キロから場合によっては120キロ以上もの高速で走行することができますが、これは当然、人間には真似の出来ないものです。

しかし仮に運転手が要所要所でブレーキを踏んで走行したとすればどうなるでしょうか?あるいは常にサイドブレーキを引いたままだったとしたら?

当然、どちらも車本来のポテンシャルを発揮できなくなってしまうことはすぐにわかると思います。つまり運転手の「ブレーキを踏む」とか「サイドブレーキをかける」という行為が走行のボトルネックとなっているため、車は本来の能力を発揮できなくなるわけです。

あなたの仕事でも同じことが起こります。仮にあなたが本当は仕事をバリバリこなせる優秀な人だったとしても、あなたの足枷となっているボトルネックを取り除かない限りは、あなたの本来のスペックを発揮することができないのです。

ですから仕事ができないと嘆く前に、まずはあなたの仕事で最も大きな障害となっている要素を特定することを考えましょう。それを見つけ出し、排除を試みるのです。

それだけで、仕事のパフォーマンスは一気に改善するはずです。

日頃こういったことを意識したことのない人は、ぜひ一度腰を据えて考えてみましょう。

 

自分の「優先順位づけレベル」を知る

あなたの優先順位付けはどのレベルか

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「仕事ができない」といわれている人に一番多いのが「その時点で最も重要な仕事を見極めることができない」タイプです。

目の前の作業に没頭してしまうあまり、あるいは盲目的に周囲の頼みごとを聞いてしまったために、その時点で重要性の高い仕事を見失ってしまっているのです。

端的にいえば「優先順位付けが下手」ということなのですが、多くの場合、別の仕事の優先度の高さや目の前の作業の優先度についての疑問を抱えながらも、盲目的に仕事をしてしまっているのです。残念ながら、そういう人の仕事は「惰性」の産物です。

まずはあなた自身の「優先順位付けレベル」を知ることです。

目の前に幾つかのタスクが存在したとして、あなたはそれをどういう順番にこなしていくでしょうか?

イメージしてみてください。あなたはどういう基準で仕事の順番を決めているでしょうか?

おそらくほとんどの場合、まともに考えずに、あなたの目の前に現れた順番に仕事をこなしているはずです。そして気が付かないうちに未完成のタスクに取り囲まれているのではないでしょうか?

複数の仕事の成果物について考えなければならない状況は、明らかに仕事全体のパフォーマンスを低下させてしまうのです。

 

優先度、緊急性の両軸で考える

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このように優先順位付けがいい加減な人は、まずは自分の仕事全体を俯瞰してみてください。そして自分なりにそれぞれの作業・タスクの優先度を考えてみるのです。ここを面倒がってはいけません。細かいやり方は人それぞれで構いませんが、とにかく自分の頭で優先順位を考えましょう。

そして次に緊急性を考慮してみましょう。今の仕事で緊急を要するものはどれぐらいあるでしょうか?当然、緊急のタスクはできるだけ早く終わらせなければなりませんが、決してそれだけに目を奪われてもいけません。

仮に緊急度は低いけれど重要な仕事があるならば、それをしっかりとタスクリストに入れなければなりません。多くの仕事ができないと自認している人は、実はこの「緊急度は低いけれど重要な仕事」を疎かにしてしまっているのです。そして結局、それが緊急の案件になるまでそのままにされることになります。これではいけません。

「優先度」と「緊急度」という2つの軸は、有名な『7つの習慣』でも提唱されている考え方ですが、これはあらゆる仕事の評価づけに力を発揮します。

まずは優先度が高く、緊急性のある仕事を真っ先にこなしましょう。その後で緊急性の高い仕事をうまくスケジュールに配置していきます。

そして緊急度は必ずしも高くはないけれども、重要度の高い仕事もしっかりこなすようにしてください。あなたの仕事でもこのカテゴリに当て嵌まる作業やタスクが必ず存在するはずですから、一度全体を俯瞰してみて、そういった仕事をこなす時間を事前に決めておくことも極めて有効です。

ポイントは、あなたの最も集中力の高くなる時間帯に重要度の高い仕事をすることです。多くに人にとって午前中の早い時間がこれにあたることが多いようですので、参考にするとよいでしょう。

 

目的意識が希薄ではないか?

もし、あなたが仕事に優先順位をつけられずに悩んでいるならば、あなたは「目的意識自体が希薄」である可能性もあります。

即ち、仕事でどのような結果を出すことを目的としているのか、そしてなぜその結果を求めているのかについて明確になっていないか、考えていたとしても曖昧なまま頭の片隅に追いやられているかでしょう。

ぜひ、あなたの目的を明確にしてください。

おススメなのは、朝一番にこのような質問を自分にすることです。

「私の今日の目的は何か?」

その目的を達成するために、今日一日の作業がどういう意味をもつのか自問してみましょう。そして定期的にそのための長期目標を定め、さらにその目標を達成するための小目標を定める・・・というように未来から逆算して目標をブレイクダウンするのです。

はじめは大雑把でも構いません。とにかく将来から逆算して計画を立てるのです。

本当に基本的なことなのですが、多くの仕事ができないと自責の念にかられているビジネスパーソンが、長期的計画を疎かにしてしまっています。

自らの目的を明らかにし、それに基づいた仕事の計画を立ててみましょう。あなたの仕事の効率が一気に改善されるはずです。

 

細かい部分の完璧主義をやめる

完璧主義の弊害

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あなたがもし「どんな仕事でも完璧にこなさなければならない」と考えているにも拘(かかわ)らず仕事ができないと悩んでいるならば、一度その考えを改めたほうがよいかもしれません。

なぜならば、仕事が溜まる一方でまったく減っていかないと悩んでいる人の多くは「完璧主義の落とし穴」に落ちてしまっている可能性が高いからです。それによってどんどんあなたにとって「未完成」のタスクが溜まっていき、収拾がつかなくなっていきます。

その結果「いつまでもタスクを捌けない自分は仕事ができない人間だ」と思い込んでしまっているケースがたくさんあるのです。そんな人は「仕事における不確実性は絶対になくならない」という事実を知らなければなりません。あなたを取り巻く様々な「リスク」と同様に、仕事から不確実なことを完全に排除することなど不可能なのです。

仕事における「完璧主義」は、この事実を躍起になって否定しようとしているようなものであり、あらゆる意味でナンセンスなアプローチです。

 

「確実」が担保されることはない

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あなたが仕事の不確実性から逃げ続けると、あなたが本当に達成したい目標を達成することは難しくなるでしょう。一つひとつの仕事にうんざりするほどの時間がかかり、まともに捌けないうちに次から次へと新しい仕事が入ってくることになりかねません。

ましてそのような状態で、クライアントや上司から仕事の成果物について何らかの指摘や「駄目出し」があったとしましょう。

するとあなたは意気消沈して、ますます一つひとつの仕事に注意深くなり、どれだけやってみても「まだ不十分だ」とか「この程度では安心できない」といって完璧を追求するようになってしまいます。

無論、細かい部分に気を配りながら仕事をすることは必要です。むしろ細部など一切気にしないまま大雑把に作業をしているならば、そちらの方が問題があるといえます。

しかしあまりに神経質に仕事のクオリティを追及するあまり、仕事全体の「流れ」や大局的視点を見失っていないか、ぜひ一歩引いて考えてみてください。

長期的・大局的視野で仕事を俯瞰してみることは非常に重要です。

多くのビジネスパーソンがつい目の前の仕事に没頭してしまい、今の仕事が「全体の流れでみるとどういう位置づけになっているのか」あるいは について考えが至っていません。

それが行き過ぎると、あなたは常にフラストレーションを抱えることになり、それがさらにあなたから生産性を奪ってしまいます。いわば「仕事ができない」という状況を自ら作り出してしまうようになるわけです。

あらゆる作業を「完璧」にこなすアプローチはやめましょう。特に重要度の低い仕事は80%程度の出来でも構いませんから、ぜひあなたの最も重要な仕事に100%の成果を出せるように時間配分を考えるようにしてください。

 

まとめ~一段高い視点から仕事を捉えなおす~

本記事では「自分は仕事ができない」と嘆いている人に向けて、その意識を克服するための3つのポイントについて簡単に説明してきました。

これらの施策の3つともが、ある2つの視点の重要性について述べたものだということにお気づきになったでしょうか?

即ち「長期的視点」と「本質的視点」です。

「長期的視点」とは、その名の通り仕事を長期スパンで考えて仕事の計画を立てることです。そして「本質的視点」とは、その仕事のなかで最も重要なものは何かを見抜くということです。

これら2つの視点から評価し直すことで、これまでよりも一段高い視野で仕事を捉えることができるようになります。

本来、仕事というものは自分なりに試行錯誤して取り組むものであり、そのプロセスを楽しむことこそが仕事のパフォーマンスを上げる最もよい方法です。

ですから、あなたも「仕事ができない」という自己評価を捨て、自分なりに楽しめる方法で仕事ができる環境を整えてみてください。

そして本記事で取り上げた3つのポイントをうまく利用して、周囲からの信頼を勝ち取りましょう。

カテゴリー: 仕事術

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新卒で入った会社をわずか1週間で辞め、個人事業主として生きています。メディア運営の知識やノウハウを最大限発信していきます。

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